本-経済
労働と消費のループから抜け出し、お金への依存度を下げることは可能なのか。社会の仕組みに抗いつつ、「小さくても豊かな」経済圏を探る一冊。お金との適切な間合いを測ることを、一つの抵抗の形として考える
搾取による「成長」は限界に達し、「帝国」化が進行する現在は、近代から次のフェーズへの「過渡期」だと水野は言う。この時代をいかに軟着陸させるか、その姿勢を考える一冊を読む
mp3の開発者、音楽業界の帝王、海賊版を流出させた工員。三者の視点から音楽ビジネスの崩壊と変転を描くノンフィクション。巨大産業の転覆が、政治でもビジネスでもイデオロギーでもなく、個人の自己顕示欲によって起こった、というのが面白い
『WIRED』誌の編集長だったクリス・アンダーソンによる2009年の著作。10年も前の本だけれど、書かれている内容はいまなお進行中のものばかり。アンダーソンの洞察力はすごいな、と感じ入った。 アンダーソンは、20世紀のマーケティング手法にも「フリー」(…
サブスクとは単なる課金形態の変更ではなく、ビジネスモデルの変革である。企業は「製品からではなく顧客から始める」マインドセットへの転換が求められる。顧客との長期的な関係性こそが、唯一の競争優位性となるのだ
ピーター・ティールがスタンフォード大学の学生向けに行った「起業論」の講義をベースに書かれた一冊。ティールは、自身が採用面接を行う際、「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」と質問するという。なかなか難しい質問だが、これに対…
超低金利はシステムの機能不全を告げている。「外部」を失い、バブルを繰り返す他ない資本主義の末路とは。16世紀の歴史的転換点と対比しつつ、ゼロ成長を前提とした社会へのパラダイム転換の必要性を解く一冊
ピケティは世界的な資本への累進課税を提言するが、それは「便利な空想」だと言える。課税を行う巨大な政治権力自体が、必ず格差を生み出すからだ。理想を参照点としつつ、段階的な実践が求められるだろう
トマ・ピケティ『21世紀の資本』読書ノート、その2。ピケティは格差拡大のメカニズムをr>gという不等式で説明する。資本収益率が経済成長率を上回るとき、過去が未来を食い尽くす。放置された資本主義は民主主義と社会正義を脅かす
ピケティは200年に渡る税務統計を分析し、資本主義には格差を発生させるメカニズムが内包されていると実証する。所得上位者への富の集中は、両大戦期を挟んでU字型カーブを描いている
ユダヤ人問題によせて ヘーゲル法哲学批判序説 (岩波文庫 白 124-1)作者:カール・マルクス岩波書店Amazon マルクスがヘーゲルの法哲学を批判しようとする動機と論拠とはいかなるものであるのか、が簡潔に記された文書。このなかで、プロレタリアートとはいっ…
ブルーノ・バウアーの主張を起点に、「政治的解放」と「人間的解放」の違いを整理し、近代市民社会に対するマルクスのラディカルな批判を読み解く
共産党宣言 (岩波文庫 白 124-5)作者:カール マルクス,フリードリッヒ エンゲルス岩波書店Amazon 1848年に公刊された、「共産主義者同盟」の綱領を示した文書。近代ブルジョア社会の構造と発展についての理論的な説明と、プロレタリア革命の必然性、また、当…
データを2次利用することができるビッグデータの時代には、リスクの性質がこれまでとはまるで異なるものになってしまう、ということは前回のノートで見た通りだ。 となると、リスク管理の方法としても、現在行われているような、「告知に基づく同意」――収集…
前回のノートでは、ビッグデータとはいかなるもので、それによってどのような変化がもたらされようとしているのか、そして、そこから利益を引き出そうとする際にはどんなことに留意すべきか、といったことをまとめてみた。では、ビッグデータの革命によって…
タイトル通り、「ビッグデータ」とはいったいいかなるもので、それがこの世界に引き起こす影響とはどのようなものであるのか、について書かれた一冊。「そもそもビッグデータとは何なのか」、「ビッグデータの時代におけるデータの価値と、それを利用したビ…
歴史から市場経済の特殊性を論考した一冊。労働、土地、貨幣を商品化する「擬制商品」の拡大と、社会がそれに対抗し規制する「自己防衛」のメカニズムについて整理する
「経済のため」と言うが、実際には大企業の儲けのためにすぎない。カネ儲けを第一にした社会が失ったものは何か?すべてを諦めて従っている我々は何なのか?コモンセンスと一体化した資本主義の論理を問い直す
新自由主義がもたらした結果とは何か?私的所有権と利潤原理が他のすべてに優先する社会で、人間は商品として扱われる。富の再配分という新自由主義の実績を、ハーヴェイは「略奪による蓄積」と呼ぶ
サッチャーとレーガンはいかにして民衆の同意を取りつけたのか?「個人の自由」という甘美な響きが誘惑の果実として機能したのだった。しかし、自由の強制とは強者の論理でしかない
戦後の「埋め込まれた自由主義」は70年代のスタグフレーションで破綻し、新自由主義が台頭する。ハーヴェイは新自由主義の本質を、経済エリートによる階級権力回復のための政治的プロジェクトだと論じる
ハーヴェイは新自由主義を、市場の自由こそが個人の自由を基礎づけるという政治経済的実践の理論だ、と定義する。本書では、新自由主義がどのように発生し世界中に拡散したのかが分析されていく