2025-12-01から1ヶ月間の記事一覧
作中に登場する「バズリクソンズの黒いMA-1」を、20年以上前に父が現実の製品として購入していた話と合わせた読書感想。MA-1を介して久々に触れた、ギブスンの独特なグルーヴは心地よかった
低評価が目立つ本作を擁護的に分析・考察する。「説明的すぎる台詞」「ご都合主義的な死者の国」「唐突なミュージカルシーン」は単なる欠陥か?YA文学的手触り、赦しと自己受容という主題を軸に、作品を肯定的に読み解く試み
観音様に祈ることで財産を得たが殺人を犯すことにもなった女の運は、「善い運」なのか「悪い運」なのか。若侍と翁の平行線の会話から、運を巡る価値観のズレを描く短編。すっきりと割り切れない、宙吊りのような読後感について考える
ディズニー版と異なり、原作のピノッキオは「悪ガキ」そのもの。良心の象徴コオロギを秒殺し、誘惑に負け続け、何度も同じ過ちを繰り返す。成長しないからこそどこか愛おしい、悪童としてのピノッキオの魅力を読み解く
手塚治虫が激賞したことで有名な長編。海底トンネルの建設に執念を燃やす男と、資本と労働に呑み込まれていく人々の姿を描く。100年以上前の作品だが、エンタメ性と批評性を兼ね備えた、ページターナーと言うに相応しい一作
「オリジナリティとは何か」とは古典的な問いだが、本書の乗代は自身の体験をベースに挑発的な筆致で主張を打ち出しているところが魅力的だ。表現者とは皆、外部の影響を合成した「キメラ」でしかない。全てが外から来たことを自覚し、不格好さを抱えたまま…
労働と消費のループから抜け出し、お金への依存度を下げることは可能なのか。社会の仕組みに抗いつつ、「小さくても豊かな」経済圏を探る一冊。お金との適切な間合いを測ることを、一つの抵抗の形として考える
写真とは何かを問い直す一冊。日常的な被写体、ミニマルな構図、平面的な表現——静謐な彼の写真は「絵画的」と評されるが、それは現実とイメージの「均衡点」を探り、世界を問い直す試みである
質の高いアウトプットのために大量・高精度なインプットを習慣化せよ、という極めてシンプルな主張。内容に新鮮味はないが、サボりがちな自分に活を入れてくれる「正論」として機能する一冊だった