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本、映画、音楽の感想/レビューなど。

2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『ランド・オブ・プレンティ』

ヴィム・ヴェンダース監督、『ランド・オブ・プレンティ』を見た。DVDで。俺はヴェンダースの映画が昔からすごくすきで、今まで見た作品のなかにハズレだとおもえるものはごく少ないのだけど、でも、正直この作品はいまいちだとおもった。 主人公の女の子は…

『チェルシーホテル』

イーサン・ホーク監督作。これは俺のとてもすきな映画なのだけど、人によってはものすごく退屈な映画におもわれることもおおいようなので、今日はこいつをレコメンドすべく、書いてみようとおもう。 舞台はニューヨーク、マンハッタン西23丁目にあるチェルシ…

『プラネット・テラー in グラインドハウス』

ロバート・ロドリゲス監督『プラネット・テラー in グラインドハウス』を見た。ゾンビ映画です。すごくおもしろかった!B級ホラー、アクション、エログロ映画へのオマージュとしての、映画についての映画、だといえそう。見ているときに、「あー、こいつはこ…

『夏への扉』/ロバート・A・ハインライン

ロバート・A・ハインライン『夏への扉』を読んだ。ひとことでいって、とても爽やかな小説。古きよきアメリカの進歩史観と超ポジティブなエナジーが全編を貫いており、ちょっと引いてしまいそうになるが、でもそこがこの小説のよさでもある。最近気がついたの…

『オートフィクション』/金原ひとみ

オートフィクション作者:金原 ひとみ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/07/05メディア: 単行本金原ひとみ『オートフィクション』を読んだ。『アッシュベイビー』ほどの勢いは感じられなかったけど、なかなかたのしい小説だった。今作も、非常にグルーヴ感…

『花とアリス』

岩井俊二監督、『花とアリス』を見た。DVDで。花とアリスの恋やそれにからみつく嘘、芝居、アリスが宮本をつれて父親とのおもいでを辿るシークエンス、花のシリアスな告白と下品な落語との落差、宮本が海岸で拾うハートのエース、すべてのストーリーやシチュ…

"Juxtapozed with U"/Super Furry Animals

『ラディカル・オーラル・ヒストリー』で、ギャップごしのコミュニケーションのくだりを読んでいたときに、スーパー・ファーリー・アニマルズの曲、"Juxtapozed with U"がおもいうかんだ。スーパー・ファーリー・アニマルズ(以下SFA)っていうのは、俺がこ…

『ラディカル・オーラル・ヒストリー オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践』/保苅実

これは大学の授業で紹介されて読んだのだけれど、ものすごくいい本だった!かなり興奮しながら読みました。オーラル・ヒストリーっていう歴史学の方法や記憶、語りの問題について書いてあるのだが、著者の保苅実さんの冷静さと情熱とをあわせもったオプティ…

『復讐者に憐れみを』

『復讐者に憐れみを』を見た。DVDで。『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督作品ってことで、バイオレントな、血みどろちんがいな映画だとは覚悟していたけど、たしかにそんな映画だった。でも血みどろちんがいなだけじゃなく、物語はとてもていねいに語…

『アッシュベイビー』/金原ひとみ

金原ひとみ『アッシュベイビー』を読んだ。芥川賞をとったときに、『蛇にピアス』を読んで、なんだよ綿矢りさに比べたらありきたりでおもしろくないなあ、とか実に勝手なことをおもっていたのだが、この作品はけっこうすきだった。この小説における金原ひと…