本-読書論・文章論
バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』は、「読んだ/読んでいない」という二分法を疑い、批評とは本についてではなく自分自身について語ることだ、と説く一冊。一見挑発的だが、読書や批評の本質を問い直す姿勢はごく誠実なものだと言える
立花隆や福田和也が提唱する、速読・多読といったものに対して、ほとんどの人は(彼らのような職業上の必要性に駆られているのではないのだから)そういった読書法は必要ではないだろう、と主張する一冊。 たとえば立花の言う、「本を沢山読むために何より大…
轡田隆史『1000冊読む!読書術』。1000冊読むための方法は語られていないが、読み書きをスポーツと同じ「筋肉労働」と捉えているところが特徴的。一日休めば、力はすぐになまる。読書力を維持し鍛えるためには、日々継続する他に道はない、と説く一冊
北村紗衣『批評の教室』。訓練を伴わない「自由にのびのび」は個性を伸ばす敵だ、という指摘が印象的。思い込みを捨て、型を学び、たくさん練習していくなかでこそ、世界が広がり、批評が始まるということを再認識させられる一冊
長田が愛する本たちとその書き手たちに関する、小伝というか掌編というか、ちょっとした文章たちを集めた一冊。本書を読んだだけでは、扱われている作品や著者について具体的なことはほとんどわからないだろうけれど、それらの本を読んだことのある人であれ…
『読む・打つ・書く 読書・書評・執筆をめぐる理系研究者の日々』。進化生物学研究者の三中が、極私的かつ偏向した読書・執筆メソッドを語る。世間に蔓延る「読者ファースト」を排し、「自分ファースト」を貫く書評の哲学と、その実践に迫る一冊
1949年、ニューヨークに暮らす脚本家のハンフは、ロンドンはチャリング・クロス街84番地の絶版本専門の古書店、マークス社に宛て、ほしい書籍のリストーー地元では手に入れにくい英文学の本たちのリストーーを手紙で送る。マークス社の店員ドエルは入手した…
本の読める場所を求めて作者:阿久津隆朝日出版社Amazon "本の読める店"fuzkueの店主である著者が、文字通り「本を読むための場所」としてのカフェを作ろうと決意し、生み出し、それを運営していく上での思考の過程や、試行錯誤のようすについて書いている一…
タイトルの通り、小林が10代の若い人に向けて10冊の本を紹介する、という一冊。それだけではものすごくありきたりで退屈な本――いわゆる教養ガイド本的な――になりそうなものだけれど、そこは小林、自身の若いころの読書体験を引きながら、本を読むとはどうい…
清水幾太郎は本を読んで得た内容を「表現」することで、はじめて本当に読めたことになる、ということを述べていたけれど、福田も本書で同じようなことを書いていた。 「情報」を得るというのは、けして受動的な行為ではないのです。むしろ、高度の自発性、能…
社会学者の清水による、本の読み方に関するエッセイ。清水の読書遍歴から、情報整理の仕方、どんな本を読むべきか、本の内容を忘れないための工夫、洋書の読み方、などなど、この手の「読書論」系の本で扱われがちなトピックについては大方書かれている。197…
楠木建『戦略読書日記』感想。著者との対話を通して思考のセンスを磨く読書法を解説。越後屋のイノベーションの例など、どんな本でも自身の戦略ストーリーに取り込んで語ってしまう楠木の剛腕が楽しめる一冊
成毛眞『インプットした情報を「お金」に変える黄金のアウトプット術』感想。インプット過剰な現代では、アウトプットだけが大衆との差別化を可能にする。執拗に煽り続ける成毛のアジテーションが刺激的な一冊
立花隆の「私の読書日記」をまとめた一冊。読む価値のある情報だけを効率的に摂取したいという読書観を提示し、小説などタイムコンシューミングな本は排すると主張する。徹底的に情報収集に特化した、彼の読書術とは
山本善行、清水裕也『漱石全集を買った日』。本から何かを得ようとか読書は投資だとか、そういうことをまったく考えない古本ふたりによる対談本。ただ古本が好きで好きでしょうがない、という過剰な愛情が全編から溢れており、人生をかけて趣味を楽しむ姿が…
加藤周一による読書術本。50年ほど前に書かれた本だが、古びていないどころか、最近乱立気味のこの手の本のなかでも、これよりまとまっていたり独創的だったりする本はほとんどないだろう、という印象だった。速く/遅く読む方法、本の選び方、本を読まない方…
頭がよくなりたければノートを書け!と煽りまくる齋藤のノート術本。俺自身、昔からノートやら手帳やらを大量に使ってきたノート大好きマンであるので、なかなかたのしく読めた。齋藤の主張は、「いつでもノートを持ち歩くこと」、「何か物事について思考し…
成毛眞『本は10冊同時に読め!』感想。本を読んで自分の頭で考えられる人間になり、「働きアリ」を脱して人生を愉しみ尽くせ、と説く。口が悪いが潔い物言いが魅力的な、自己啓発的な一冊
読書術本。齋藤孝による読書術本は何冊か読んだことがあるけれど、どれも基本的には同じ内容で、要は、できるやつになるためには読書しろ!ということが書いてある。 単に本を読み終えるというだけなら、頭を使わなくてもできるけれど、それでは本当に読んだ…
ぐずぐず本を読んでは、結局ほとんど忘れてしまう…というのを繰り返す「遅読家」から抜け出し、「週6冊、月25冊、年間300冊の多読生活」を目標に、ビジネス書や新書を多読していこう、という一冊。著者の印南曰く、ビジネス書や新書といった実用書は、「1日1…
読書について (光文社古典新訳文庫 Bシ 1-1)作者:アルトゥール ショーペンハウアー光文社Amazon ここ数か月というもの、本読みをすっかりさぼってしまっていた。本を読まないでいるとブログを更新しようという欲求がなくなっていき、ブログを書かなくなると…
ときおり、「読みたい本リスト」というやつを更新したくなる。リストにはとにかく本の名前が大量に並んでいるので、すぐに自分でも内容が把握できなくなる(だから、じっさいのところ、いまいちうまく機能していない…)のだけれど、本読みのモチベーションを…
20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書 9)作者:古賀 史健星海社Amazon ネットだか雑誌だかで絶賛されている記事を読んで、そうかーじゃあ読んでみなくっちゃだね!とおもって手にとった本書だけれど、少なくとも俺にとっては、得るところのあまりな…
佐藤優『読書の技法』メモ。月300〜500冊に目を通す佐藤優による読書術本。400ページの本を30分で読む速読法、1冊5分で処理する超速読法、そして基本書のための熟読法。3種類の読書法を使い分け、効率よく知識を獲得する術を紹介している一冊
・品格のある、まともな文章を書くためには、まずは日常の話し言葉をまともなものにしていかなくてはならない。ふだんから、下品な言葉を使わないよう心がけること。 ・感情語(うれしい、かなしいなど)の利用はできるだけ避けること。その代わりに、具体的…
本書の前半では、上手なエッセイの書き方のアドバイスがまとめられている。林は、エッセイを書く際には、敬体(です・ます調)の文章は素人にはあまりおすすめしない(常体と比べて、無駄が多く、文章にスピード感がなくなる)、体言止めや、中止法(「~して…
本書の売りは、永江自身の文章作成プロセスを例に、「お金を稼げる」文章を書くためのテクニックが細かく解説されているところだろう。書評、お散歩ガイド、グルメガイド、エッセイなどの分野で、掲載誌によって文体や固有名詞を使い分けるようす、いかにも…
齋藤が本書において主張していることはたったのひとつ、とにかく読め!そして読書力をつけろ!ということのみ。はっきり言って、超明快である。ただ、それをもうとにかくあらゆる方向から幾通りものやり方で読者に迫ってくるわけで、その様はほとんど暑苦し…
結局、こういう、人を駆り立てるものとか、人が何かを為そうとする理由とかって、その本人にしかよくわからないものなんだろうなー、という気はする。そしてそれはきっと、本人がわかっていれば、本人が確信することさえできれば、それでもう十分なものなん…
詩人、長田弘のエッセイ。“本”とは、“読書”とは、人間にとっていったいどんな存在であるのか、もう一度かんがえ直してみよう、という感じの一冊。いわゆるその辺の読書論みたいなのと少し違っているのは、本という文化についてちょっとひとこと言いたいのだ…