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本、映画、音楽の感想/レビューなど。

2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『リリイ・シュシュのすべて』

DVDで。この映画で描かれているのは、思春期のころのやたらと繊細で、かつ激しい感情だ。ガラスのような、ってすごいださい比喩だとおもうけど、でもほんとにそんな感じ。割れたら、指とか切れて血がでちゃいそうな。岩井俊二監督ってもうとっくにオッサンだ…

『パンズ・ラビリンス』

恵比寿ガーデンシネマにて。行ったのが日曜の夜ってこともあり、かなり混んでました。CMなんかを見て、最近よくある感じのファンタジー映画を期待して見に行ったひとは、あまりのおどろおどろしさにショックをうけたんじゃないだろうか。物語はファンタジー…

『恋愛睡眠のすすめ』

早稲田松竹にて。すっごいよかった!ていうかね、こういう映画がだいすきなんだよー俺は。睡眠中に恋愛(妄想)して、それがだんだん現実とごっちゃになっていってしまう青年の話。主人公のガエル・ガルシア・ベルナルも、ヒロインのシャルロット・ゲンズブ…

『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』/モフセン・マフマルバフ

イランの映画監督、モフセン・マフマルバフのスピーチ、レポート、公開書簡の3つをまとめたもの。アフガニスタンの近代史、生活、宗教などが概略的に説明され、さらに、アフガニスタンの国家としての収入、麻薬の取引量、死者の数などについても、統計を用い…

『やし酒飲み』/エイモス・チュツオーラ

これすっげーおもしろい!!いままで俺が読んできたなかでは、最高の一冊に数えていい。なので、このおもしろさを全然ことばにできないのが歯痒いです。けどまあ、とりあえず書く。 エイモス・チュツオーラはナイジェリアの作家。そして、「やし酒飲み」は、…

鼻詰まりの日

土曜日。風邪をひき、頭痛に加え、鼻をつまらせた俺は、ぐずぐずとベッドに横たわり、寝たり起きたりを繰り返していた。そんなに熱があるわけではないのに、自分の場合、鼻が詰まっていると気合がまるで入らないのです。ほぼ一日中、何をするでもなく過ごし…

『サイボーグでも大丈夫』

物語の舞台は精神病院。けれど、よくある、閉塞感に息が詰まりそう、って描写ではなく、パク・チャヌク監督のポップな感覚がいかんなく発揮されていて、そこでの暮らしは、なんだかけっこうたのしそうに見える。物語は、主人公の拒食症サイボーグ・ガールと…

『親切なクムジャさん』

パク・チャヌク監督、『親切なクムジャさん』を見た。DVDで。『復讐者に憐れみを』,『オールド・ボーイ』に続く復讐三部作のラストだというこの作品。前二作とくらべると血みどろなシークエンスは抑え目だったけど、でもやっぱりあった。そして、バシッと絵…

『暗闇のスキャナー』/フィリップ・K・ディック

この小説にあるのは、人は現実という巨大なシステムのなかの歯車のひとつにすぎない、という冷徹なまでの視線だ。ドラッグを飲んでトリップすることで、瞬間、ハードな現実から抜け出すことはできる。だが、ドラッグをきめまくった挙句にいきつく先は、死か…