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本、映画、音楽の感想/レビューなど。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』/加藤陽子

東大の歴史学教授である加藤が、栄光学園の中高生たちに行った5日間の講義をベースに書かれた一冊。日清戦争から太平洋戦争まで、近代日本の戦争の歴史がテーマになっている。 講義は、加藤が生徒たちに史料(報告書、書簡、日記、地図など)や歴史家の意見…

『闇の中の男』/ポール・オースター

オースターの2008年作。2000年代にオースターが書いていた「部屋にこもった老人の話」の第5作目ということで、本作も、ひとりの老人が自室の暗闇のなかで眠りにつくことができず、頭のなかで物語をあれやこれやとこねくり回している場面から始まっている。 …

『マチネの終わりに』/平野啓一郎

ネットでレビューや感想を見ていると、本作への批判は、主に物語中盤で引き起こされる「すれ違い」があまりにもご都合主義的で、作りもの感満載である、という点に対するものが多いようだ。たしかに、俺自身、この小説を読みながら、うわ、この展開、まじか…

『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』/福田和也

清水幾太郎は本を読んで得た内容を「表現」することで、はじめて本当に読めたことになる、ということを述べていたけれど、福田も本書で同じようなことを書いていた。 「情報」を得るというのは、けして受動的な行為ではないのです。むしろ、高度の自発性、能…

『本はどう読むか』/清水幾太郎

社会学者の清水による、本の読み方に関するエッセイ。清水の読書遍歴から、情報整理の仕方、どんな本を読むべきか、本の内容を忘れないための工夫、洋書の読み方、などなど、この手の「読書論」系の本で扱われがちなトピックについては大方書かれている。197…