2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧
ムーミン谷の彗星 (ムーミン童話全集 1)作者: トーベ・ヤンソン,Tove Jansson,下村隆一出版社/メーカー: 講談社発売日: 1990/06/22メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 42回この商品を含むブログ (28件) を見る 以前、堀江敏幸『回送電車』で、「ヤンソンの…
DVDで。ジョージ5世の息子、ヨーク公ことアルバート王子は吃音が原因の発音障害に苦しんでいた。何しろ王族の公務にスピーチは必須、スピーチの機会がある度に彼のコンプレックスは膨らんでいくばかりなのである。彼は、妻エリザベスの勧めに従って、言語障…
本作には、いわゆるホロコーストものによくある、強制収容所での生活やガス室送りの恐怖などに関する描写は一行も含まれていない。わかりやすく感傷的なエピソードはほとんど発生せず、ひたすら淡々とした叙述が続いていくために、いくら読み進めていっても…
109シネマズ木場にて。IMAX3Dの吹き替え版で見た。前評判の通り、怪獣と巨大ロボットが戦う映画。本当にそれだけで、余計な要素は一切なし。主人公たちの繰り広げる人間ドラマは基本的に大味というか、あってもなくてもどうでもいいような感じで、とにかく怪…
哲学の教科書 (講談社学術文庫)作者: 中島義道出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/04/10メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 228回この商品を含むブログ (89件) を見る 「哲学には「教科書」などあるはずがないということを、これでもかこれでもかと語り続…
図書館で目にして何気なしに手に取った本だけれど、これはなかなかおもしろかった。タイトルの通り、著者と中学3年生の姪っ子とが、「そもそも、言葉とはいかなるものなのか」についてあれやこれやと対話をする、という体で書かれている一冊だ。 ぱっと見で…
カナダはケベック州出身のミュージシャン/プロデューサーである、ダニエル・ラノワの自伝。幼少期における音楽への目覚め、ショーバンドでのドサ回りの日々、兄のボブと設立した自前のレコーディングスタジオでエンジニアとしての素養を身につけるまで、など…
1996年、介護保険が導入される以前に書かれた一冊。単なる家族内の問題とかんがえられていた高齢者介護について、福祉として社会制度化する必要を説いている。 昭和30年台頃までは、高齢者は病気で倒れてから数週間のうちに亡くなるようなケースが多く、現在…
日本の高齢者医療・保険・福祉の現状に関する概観と、超高齢社会に挑むにあたっての制度面/意識面からの問題提起が行われている一冊。タイトルの通り、「基礎知識」として誰もが認識しておくべき内容がまとめられている。 広範なテーマが扱われているけれど…
なんと12年ぶりのシリーズ新刊。 本作は短編集で、「丕緒の鳥」,「落照の獄」,「青条の蘭」,「風信」の4編が収められている。各編に共通しているのは、荒廃した国における民の生活や小役人の苦悩みたいなものを切り取ったスケッチ的な内容で、王や麒麟など、…
「刷りこみ」現象の発見で有名なオーストリアの動物行動学者、ローレンツによるエッセイ。「動物行動学入門」というだけあって、ジャンル的には科学エッセイという感じだけれど、難しいところはまったくない。ローレンツの筆致は動物に対する興味と愛情と尊…
閉じ込め症候群(Locked-in syndrome (LIS))となり、左目以外はまったく動かすことのできない状態になってしまった男による、「左目のまばたき」によって書かれたエッセイ集。 閉じ込め症候群というのは、脳底動脈閉塞によって脳幹の特定部分に障害が発生す…
人間の言語と認識との間にある関係性についての最もよく知られた言説のひとつに、いわゆる「サビア=ウォーフ仮説」というものがある。これは、すごくざっくり言ってしまうと、「人間にとって、言語こそがその世界を分節し、整理し、秩序立てるものである。…
わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)作者:平田 オリザ講談社Amazon 劇作家の平田オリザによるコミュニケーション論。タイトルの通り、他人同士というのは本質的に「わかりあえない」ものだけれど、しかしそれでも共通…