2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧
マカールの発話のスタイル――他者の視線を内面化し、先取りした他者の言葉に絶えず反発しながら自分語りをする――や、その病的なまでの熱烈さというやつは、まさしくドストエフスキー独特のものだけれど、マカールというキャラクターの設定自体は、ゴーゴリ「…
貧しき人びと (新潮文庫)作者: ドストエフスキー,木村浩出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1969/06/24メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (34件) を見る ドストエフスキー、24歳のときのデビュー作。作品のボリューム的には、まあ中編といった…
池上の"ふつうさ"から感じられるのは、彼の凡庸さというより、むしろ、彼の非凡さだ。本書では、「XXの発言を聴いて、私は~と思いました」という形式の文章がずいぶん目につくのだけど、池上は、東工大の学生たちの反応、テレビ・ラジオのニュースやバラエ…
愛その他の悪霊について作者: ガブリエルガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,旦敬介出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/08/01メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (24件) を見る 混み入って重層的な物語構造が用いられることの…
20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)作者: 古賀史健出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/01/26メディア: 新書購入: 5人 クリック: 48回この商品を含むブログ (33件) を見る ネットだか雑誌だかで絶賛されている記事を読んで、そうかーじゃあ読ん…
江國香織のエッセイ集。タイトル通り、身のまわりの「とるにたらないものもの」――ふつうに存在しているもの、無駄なもの、べつに気にしなくても何の支障もないもの――に宿る詩情への偏愛が語られている。どれも2,3ページ程度の短い文章だけれど、彼女独特の視…
黄色い雨作者: フリオリャマサーレス,Julio Llamazares,木村榮一出版社/メーカー: ソニーマガジンズ発売日: 2005/09メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 16回この商品を含むブログ (38件) を見る まったくもう、これも素晴らしかった!泣きたくなる…という…
マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン22年ぶりの新譜。まさか本当に出るなんてね…って驚きもあるけど、それより何より、22年経ってもやっていることがまるで変わっていないのがすごい。 いや、ふつうのポップ・ソングみたいな"New You"とか、ドラムンベースな"W…
スペインの作家/詩人、フリオ・リャマサーレスの初の長編小説。いやー、これはもう、びっくりするほど素晴らしかった!物語の語り手はスペイン内戦の敗残兵(故郷の山奥に逃げ込んでいるが、フランコ派の軍隊の監視があるために、何年経ってもそこから下りて…
ヴィアンの何よりの魅力は、シャンパンの泡のように軽やかでさわやか、きらきらと透明に輝くその文体だろう。重さや寓意性などといったまどろっこしいものはことごとく退けられ、ひたすらエレガントであること、ナンセンスであることだけに意識が向けられて…
新書で入門 ジャズの歴史 (新潮新書)作者:相倉 久人新潮社Amazon ジャズの歴史について、その誕生からモダン・ジャズ神話の崩壊までが、スマートにまとめられた一冊。ブルーズ→スウィング→バップ→ハード・バップ→モード→フリー…みたいなジャンル内の流れだけ…
昨日あたりから、"AKB48のメンバーの女の子が、グループのルールであるところの「恋愛禁止」を破ったことの反省として、自ら頭を丸刈りにして、涙ながらに「ごめんなさい」と言うビデオ"の件がひどく話題になっている。AKBとかアイドルグループについての知…
読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門作者: 佐藤優出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2012/07/27メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 361回この商品を含むブログ (68件) を見る 佐藤優による、読書術本。佐藤は毎月およそ…