2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧
独特な文体が魅力的な、アンナ・バーンズのブッカー賞受賞作。北アイルランドとおぼしき名前のない町を舞台に、主人公である18歳の「私」(趣味は歩きながら19世紀の小説を読むこと)が反体制派の有力者たる「ミルクマン」なる男にストーカーされたり、「メ…
第一次世界大戦後の1919年、ヴェーバーがミュンヘンの学生団体向けに行った講演をまとめたもの。まずヴェーバーは、トロツキーの言葉を引いて、「すべての国家は暴力の上に基礎づけられている」と言う。 近代国家は、この暴力行使の権力を独占するべく、その…
現役の大工による、業務日誌のような淡々とした日記本。現実に根ざした仕事観からは職人としての矜持が感じられ、その朴訥で誠実な姿勢が胸を打つ
ひたすら饒舌というか自意識をそのまま垂れ流しにしたような、大阪弁と丁寧語が混じった、どろっとした文体が特徴的な中編だ。語り手の「わたし」は、人の思考は脳ではなく奥歯でなされているとかんがえている不思議ちゃんで、生まれる予定のない自らの子供…
不思議な帽子をめぐる連作短編を通して、80年代パリの空気と、軽やかに人生の美しさを味わう感覚が描かれる。小粋で洒落た読後感が心地よい一冊