本屋でぱらぱらとページをめくっていると、以前のエントリでも書いた、小林康夫と大澤真幸による「全集を読め」という話が取り上げられているのが目に入って、おもわず買ってしまった一冊。古書店の店主である山本と、その常連客である清水との対談本だ。 社…
パラニュークの96年作。デヴィッド・フィンチャーの映画の方はだいぶ以前に見たけれど、最近いくつか読んでいたミニマリズム関連の本で本書がたびたび引用されていることもあり、原作も読んでみることにした。エリートビジネスマンの主人公は「完全で完璧な…
仕事のみにとどまらず、人生全般(お金、健康、家事、人間関係、遊び)について、超コントロール思考であれ、と説いている一冊。もちろん、人間は他人や世界を操作できるわけではないので、自分自身の思考やふるまい、所属や環境、誰と付き合うか、といった…
「ザ・ミニマリスツ」と名乗る、アメリカ人ふたりのユニットによるミニマリズム本。ビジネスマンとして成功し、物質的にもかなり豊かな生活を送っていた彼らが20代後半にしてミニマリズムに目覚めたきっかけや、いざミニマルな生活をはじめようとする際、ど…
断捨離とかミニマリストとかの本はいままでに何冊か読んだことがあったけれど、この本が俺にはいちばん効いた。効いたというのは、具体的にモノを減らすための行動を始められた、ということだ。ウチには2m超えの本棚が3つもあるくらいなので、どれだけミニマ…
「頭がいい人がするいちばん愚かな質問は、『あなたは5年後、どんな地位についていたいですか?』だ」という、自己啓発系ビジネス本。一般的に、「1年後、5年後といった長期的な目標設定をする」、「生きる姿勢を変え、ビジョンを持ち、それに向かって計画的…
ずいぶん以前に、早稲田松竹にて。(以前の邦題は、『ソフィー・マルソーの刑事物語』。)『ヴァン・ゴッホ』とよく似ているところは、登場人物たちが何をかんがえているのかはっきりとはわからない、というところだろう。愛を知らない孤独な男女が、その孤…
ずいぶん以前に、早稲田松竹にて。こんなに素晴らしい作品のことをいままでまったく知らなかったとは…!っておもってしまうほど、深い情感を描き出した、美しい映画だった。ぼわっとした光と影、気怠い空気感のなかで、ファン・ゴッホの晩年、オーヴェル=シ…
新宿シネマカリテにて。70年代イングランド北部で発生したニッチなポップカルチャーのムーブメント、「ノーザン・ソウル」のシーンを舞台にした作品。いわゆるワーキングクラスの青年が、ノーザン・ソウルの音楽とダンスに没頭することで10代の鬱屈を生き延…
今日、ビジネスの世界でもっとも重要視されているのはSTEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)やビッグデータ、アルゴリズム思考といった、いわゆる理系の知識だと言えるだろう。現代はデータ至上主義の時代だ、と言ってもいいかもしれない。…
新宿武蔵野館にて。デンマーク映画。警官のアスガーは、ある事件がきっかけで現場を退くこととなり、緊急通報室のオペレータとして、事故現場に警官を派遣するだとか急病人の緊急搬送を手配するだとかいった、細々した事件に応対する日々を過ごしていた。だ…
よく、芸術的なセンスがある、ファッションのセンスがいい、仕事のセンスが優れている、などといった言い方で、「センス」というものが取り沙汰される。大抵の場合、それらの発言には、センスの問題では仕方ない、それは生来のものだから、感覚的なものだか…
加藤周一による読書術本。50年ほど前に書かれた本だが、古びていないどころか、最近乱立気味のこの手の本のなかでも、これよりまとまっていたり独創的だったりする本はほとんどないだろう、という印象だった。速く/遅く読む方法、本の選び方、本を読まない方…
「狂人日記」は、九等官の中年男、ポプリーシチンという人物の日記という体裁をとっている。一人称の語りのみで、全編が構成されているのだ。ポプリーシチンは、ゴーゴリ作品の主人公らしく、自分(の社会的地位)に自信がないために、卑屈な態度と尊大な態…
頭がよくなりたければノートを書け!と煽りまくる齋藤のノート術本。俺自身、昔からノートやら手帳やらを大量に使ってきたノート大好きマンであるので、なかなかたのしく読めた。齋藤の主張は、「いつでもノートを持ち歩くこと」、「何か物事について思考し…