『勝間式 超コントロール思考』/勝間和代

勝間式 超コントロール思考

仕事のみにとどまらず、人生全般（お金、健康、家事、人間関係、遊び）について、超コントロール思考であれ、と説いている一冊。もちろん、人間は他人や世界を操作できるわけではないので、自分自身の思考やふるまい、所属や環境、誰と付き合うか、といったところでコントロールを行うというわけだが、じつにさまざまな方面におけるコントロール方法が書かれていることもあって、全編通して主張が一貫しており、説得力がある。

内容的には、著者の過去作やいわゆる自己啓発本でよく言われているようなことも多いのだけれど、具体的に何をどうするということが、著者の試行錯誤をベースに書かれているところが良い。じゃあこれは試してみようか、ってなりやすいのだ。

たとえば、お金に関する章で書かれているのは、

• 収入の70〜80％で生活する習慣を持つこと。
• 残りの20〜25％は積立投資に回すことで、労働の対価をコントロールすること。
• 手取りの20〜25％の予算の住居に住むこと。
• 酒、煙草、ギャンブルなど、依存性のあるものをやらないこと。
• 栄養を満たすための外食をしないこと。
• 衝動買いをしないこと。
• クレジットカードの明細を必ず全件チェックし、使途不明金がないようにすること。

といった内容。どれもまあ当たり前といえばそうなのだが、これらをすべて完璧に実践できているかというと、俺は実際そうでもなかったわけで（外食とか、明細の全件チェックとか…）、改めなければ！となったのだった。

あと、とくにぐっときたのは、以下のところ。

お金の使い方やため方というのは、その人の生き方や哲学と重なると思います。そこで無駄遣いをするということは、自分の人生を無駄遣いしてしまっているのと同じですから、自分の稼ぎ方についても、使い方についても、1円単位まで気を配り、管理をする必要があると思うのです。

お金は自分の時間を使って手に入れるものなのだから、それをかんがえなしに使うことは、人生を無駄遣いすることと同義である、ということだ。ああ俺、結構人生を無駄遣いしがちだったかも…なんて、おもい当たる節も結構あるような気がして、さすが鋭いな勝間は、と感じ入ったのだった。