Show Your Hand!!

本、映画、音楽の感想/レビューなど。

『頭のよさはノートで決まる』/齋藤孝

頭のよさはノートで決まる

頭のよさはノートで決まる

頭がよくなりたければノートを書け!と煽りまくる齋藤のノート術本。俺自身、昔からノートやら手帳やらを大量に使ってきたノート大好きマンであるので、なかなかたのしく読めた。齋藤の主張は、「いつでもノートを持ち歩くこと」、「何か物事について思考しようというときには頭のなかではなく、必ずノートに書き出してみること」、「本もノートと同様と考え、書き込みをして3色ボールペンで整理すること」、「要点は3つにまとめること」…などいろいろなのだが、いちばん肝となっているのは、「事実(=「客観」)をノートに記しているだけではダメ。自分の考え方や感じ方、疑問、経験知とのリンクなどといった「主観」についてこそ積極的に書いていくべきだ」、という点だと言えるだろう。

ある事象・トピックに対する自分の意見をノートの上で言葉にしようとすることによって、頭を働かせることができるし、感性が鍛えられる。思考力にせよ感性にせよ、自分なりに使ってみて、負荷をかけてみて、はじめて鍛えられるものなのだ。ノートを使って言葉にするトレーニングを繰り返すことで、自分の思考を整理して人に説明する力、文脈を適切に把握する力、具体と抽象とを行き来する力が身につくようになり、結果、「頭のよさ」がアップしていくことになる、というわけだ。

これは個人的にも納得感のある主張だ。というのも、俺自身、何かを真剣にかんがえるというときには、手を動かして物理的に文字を書いていくことがほとんど必須であるように感じているからだ。過去に何度も、「別にノートにメモ書かなくてもいいんじゃない?どうせほとんど見返さないんだし…」などとおもってはノートの持ち歩きを中止したことがあったのだけれど、そうすると、大抵の場合、頭の働きが鈍くなるというか、思考のスピードがもの凄く落ちてしまうのだ。まあ、自分の場合、昔から紙に向かってかんがえるということが習慣になっているから、単にそうしないと落ち着かない、ということであるのかもしれないけれど。