DVDで。6月のノー・スモーキング・オーケストラのライブの興奮をおもい出しつつ、久々に見る。やっぱり、すっげーいい!とにかく音楽が最高だし、人生を全力でたのしんでいる感が画面から滲みだしてくるよう、じつに素晴らしい。ドナウ川のほとりに暮らし、密輸で生計を立てている親子を中心に、そろいもそろってクレイジーなジプシーの人びとのどたばた喜劇が描かれていく。
とにかく全編通してごちゃごちゃと猥雑で、超ハイテンション。くすくすわらっちゃうようなシーンには事欠かないし、登場人物全員が(ほんとに全員が!)むやみと個性的で強烈な、でも愛すべきキャラクターで、かなり独特な濃さ、味わいを持った映画になっている。
物語の進行のなかで生まれてくるのはまさに祝祭のグルーヴとしか言いようのないもので、雑然としたエナジー、輝かしい高揚感がひたすらに高まっていく。人物たちはみな欲望をたぎらせて、狂ったように生き、狂ったように踊り、狂ったようにわらう、感情を爆発させる。ストーリーの展開、まとめかたもばっちり見事だし、元気の出る映画、テンションの上がる映画といえば、俺のなかではやっぱりこれだな。最高。