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『39歳からのシン教養』/成毛眞

作品概要・所感

本書はいわゆる教養本の一種ということになるだろうが、池上彰や佐藤優や齋藤孝のそれと違うのは、本を読むよりむしろググれ!と語っているところだ。過去に散々読書術の本を出しまくっていた成毛も、最近ではこういう本を出しているのね…という感じである。

30代半ばを過ぎたら、いまさら真面目に教養を学ぼうと入門書を読んだりしていてももう遅い。そんな暇があったら、1日30分でいいから、とにかく気になるワードを検索しまくって効率的に情報収集するべき(そしてその情報を未来予測や投資等のビジネスに活かして稼げ)、というのが本書の主張だ。

古典を捨てて、Wikiを読め、とのことだが…

世に蔓延る教養本では、あれは必読だしこれも読んでおくべき、と読むべき本が無限に羅列してあるのが常だけれど、成毛に言わせれば、「入手可能な情報を全て利用することなど、時間的にも、また、コストの面からもムダでしかない」。苦心して古典を読むのではなく、むしろウィキペディアで気になるワードをどんどん別タブで開きながら読んでいけ、ということになるわけだ。これはまあ、多くの人がそれなりに納得できる内容だろう。教養本に羅列されたリスト――著者自身だってちゃんと読んでいるのか怪しまれるような長大なリスト――を網羅するように読めている人など、実際のところほとんどいないのだろうから。

自分が入手すべき情報を増やすとともに、不必要な情報はカットする。そのためには、これまでの知識のインプット法、勉強法を思い切って捨てるべきだ。情報の選別と学びのアップデートこそが、これからの時代に本物の教養を身につけるためには不可欠だ。

上記を主張した後、本書の残りページでは、「生命科学の勉強法」「地政学の勉強法」「数学の勉強法」…といった具合に、成毛が各分野で最近収集した情報とその勉強方法の例がいろいろと掲載されていく。が、これを教養と呼べるのかと考えてみると、正直微妙かなという印象だった。教養って別にたくさんの情報を扱えることとか、各分野について一丁噛みできることとは違くない?とか、成毛の集めている情報は教養というよりむしろ雑学なのでは?とか、そんなようなことをおもってしまったのだった。(まあだからこそ、本書のタイトルも「教養」ではなく、「シン教養」ということにしているのだろうけれど。)

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