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『パシフィック・リム』

109シネマズ木場にて。IMAX3Dの吹き替え版で見た。前評判の通り、怪獣と巨大ロボットが戦う映画。本当にそれだけで、余計な要素は一切なし。主人公たちの繰り広げる人間ドラマは基本的に大味というか、あってもなくてもどうでもいいような感じで、とにかく怪獣とロボをかっこよく見せることだけが重要視されている。当然、いわゆるお決まりの展開に終始するわけだけど、ジャンル映画においてはそれは問題ではないってことなんだろうし、なにしろ映像のクオリティはばっちりなのだから、好きな人が大勢いるのはわかる気がする。

でも、正直言って、俺はこの映画を見ていてあまりカタルシスを感じることはできなかった。まあ俺が「映像がすごい映画」とか「アクションがすごい映画」にいまいち興味がない、っていうのもあるのだろうけれど、やっぱりドラマ性がなさ過ぎるのが気になってしまったのだ。いちおう主人公たちは各々過去の傷を背負っていたりするのだけど、それにまつわるエピソードたちはいかにも取ってつけたような印象だし、そのせいか、どうにも全体的に平板な感じがしてしまって。そもそも、人類が滅亡の危機だっていう絶体絶命感もあまり感じられなかったし。もっとプロット面で派手な展開があれば――仲間の誰かがよかれとおもってやったことのせいで作戦が完全に破綻、もはや打つ手なし、もうダメだやられる…からのテーマ曲&主役ロボがキメキメで登場、みたいなのとか――俺ももうちょっと盛り上がれたのかなー、などとおもったりした。

あと、もうひとつ気になったのは、「なんか画面が全体的にずっと暗い」ということ。怪獣とロボとの戦いはいつも夜とか海の中とかで行われるので、いまいちどういうアクションをしているのか、わかりにくいのだ。(そういえば、これ、『ダークナイト』とかを見たときにもおもったな…。)まあ、あんまりいい天気とかだと終末的な雰囲気が出ない、ってことなのかもだけど、なんかもうちょっと、何をやっているのかわかりやすい画面にしてもらえるとありがたいんだけどなー、と感じたのだった。

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