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『20歳の自分に受けさせたい文章講義』/古賀史健

20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)

20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)

ネットだか雑誌だかで絶賛されている記事を読んで、そうかーじゃあ読んでみなくっちゃだね!とおもって手にとった本書だけれど、少なくとも俺にとっては、得るところのあまりない一冊だった。著者の主張はいちいちもっともだし、わかりやすく、読者を突き動かすような熱もたしかに感じられはするのだけど、これってそれなりの量の文章を書いている人ならば、誰もがかんがえているようなことじゃないの?っておもわされてしまって。これが、「ライターの手の内」とかって言われても、え、それだけ?まさか!っていうか…。まあ、「はじめに」にも「文章の苦手な人が悩んでいるのは、「話せるのに書けない!」というもどかしさなのだ。」なんて書いてあるし(いやいや、逆だよ逆!っておもった)、単に自分は本書が想定している読者ではなかった、ということなのかもしれない。

「文章講義」の内容としては、「文章を書くのは、読者の心を動かし、行動を引き起こさせるため」、「頭のなかのぐるぐるを言葉に翻訳することこそが、書くということ」、「言葉の説得力は、断定というリスクを冒してこそ生まれる」、「自分の頭で考えて整理したことだけが、アウトプットできること」、「文章でなにより大切なのは、リズム」、「構成は必ず可視化して、眼で考えること」、「原稿をもったいと思ってはだめ。積極的にはさみを入れて編集すること」、などなど。こまごましたテクニックの羅列ではなく、文章を書くとは、文章で何かを伝えるとはいったいどういうことなのか、という一点にフォーカスしているところが本書の特徴であり、それをどうしても伝えたい!っていう著者の想いが全体的な熱っぽさに結びついている感じは、ちょっといいなーとはおもった。