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本、映画、音楽の感想/レビューなど。

2009-01-01から1年間の記事一覧

『ノア・ノア タヒチ紀行』/ポール・ゴーガン

ヨーロッパを逃れ、はるばるタヒチまでやってきては観光したり絵を描いたり、ぐでぐでしたりしているゴーギャンの自伝というか滞在記というか、メモ書きみたいな感じの一冊。ゴーギャンがタヒチで描いた絵の版画バージョンが収録されてもいる。まあ正直、読…

『クローム襲撃』/ウィリアム・ギブスン

最近、いわゆるサイバーパンクの原点、っていうので超有名な『ニューロマンサー』を読んでいたのだけど、文章のあまりの読みにくさに挫折してしまい、じゃあ先に短編でも読んでみようか、とおもってこれを借りてきた。 で、ちょっとおもったんだけど、ギブス…

『ハルフウェイ』

新宿バルト9にて。高校生カップルの心の機微を描いた、って感じの、ありがちかつシンプルな映画。北川悦吏子の監督デビュー作ということで、もしかしたら微妙かも…なんて覚悟していたのだけど、なんだか結構気に入ってしまった。 全体としては、よくもわるく…

『潜水服は蝶の夢を見る』

DVDで。評判通り、いい映画、って感じのする作品。題材であるロックトイン・シンドロームに真摯に向き合う姿勢がいいなーとおもった。 主人公はある日突然、全身が麻痺してしまう奇病にかかり、動かせるのは左目オンリー、って状態に陥ってしまう。そんな、…

My Morning Jacket@Duo Music Exchange

2月4日、渋谷にて。いやー、本当によかった!まじで最高だった!!彼らのライブを見たのは初めてだったのだけど、いままで見てきたいろんなライブのなかでも間違いなくトップクラスのたのしさだったとおもう。マイ・モーニング・ジャケットは、ケンタッキー…

『デス・プルーフ in グラインドハウス』

DVDで。はじめだらだらなかだらだらで、ラスト20分くらいに圧倒的な爽快感が訪れる、っていうタランティーノのおもしろ映画。本来はロドリゲスの『プラネット・テラー in グラインドハウス』との2本立て作品だったわけで、2本を続けて見てこそ真価を発揮でき…

『チェ 28歳の革命』

吉祥寺バウスシアターにて。ひとりの人間というより、ひとりの革命家としてのゲバラを描いた、って感じの映画。派手さはないけど、誠実な作風、という印象だった。武力闘争による反政府運動にきれいごとはないこと。ゲバラはまっすぐな理想主義者だが、カス…

『シャイン・ア・ライト』

吉祥寺バウスシアターにて。ストーンズの2006年のライブをスコセッシが撮影したライブ映画で、とにかく音がいいし、映像がいい!"Jumpin' Jack Flash"で始まるライブのオープニングから、もうひたすらたのしすぎる!!ただ、こんなにつんのめるような腰にき…

『今宵、フィッツジェラルド劇場で』

DVDで。ロバート・アルトマンの遺作となった、ものすごくまったりとしたコメディ映画。こういうの、結構すきだなー。ミネソタ州セントポールのフィッツジェラルド劇場では、毎週「プレイリー・ホーム・コンパニオン」という音楽バラエティラジオ番組の公開生…

『ミスティック・リバー』

物語冒頭で子供のころの3人がおかれた状況は、最後まで変わることはない。となると、子供のころに受けた傷がその後の人生すべてに影を落とすこと、過去がいつまでも追ってくるっていうことの恐ろしさ、やるせなさこそがふつうは作品の中心主題になってくる…

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』/フィリップ・K・ディック

ひさびさに読んだけど、いやーやっぱりすごい小説!すっかりのめり込むようにして読んだ。とにかく全編通して乾いていて不気味で、でも同時に混沌とした美しさが溢れてもいる。舞台は最終戦争後の荒廃しきった地球。バウンティ・ハンターのリック・デッカー…