- 発売日: 2013/11/26
- メディア: Prime Video
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作品のストーリーラインは現代風にアップデートされて、シンプルで明快な成長物語になっている。これはこれで悪くはないんだけど、何もここまでマイルドにしなくても、もう少しとがったところ、不安になるくらい意味不明なところがあったりしてもよかったんじゃないかなー、とはおもってしまった。アリスは世界のふしぎと戯れまくるおしゃまな少女から、自立した意志を持ち、はっきりとした目的意識を持った、ビジネスでもばりばり活躍できる(!)オトナの女性へとするするっと成長していってしまうし、物語の舞台となるワンダーランドにしたって、文脈が読めないことによる恐ろしさ、不気味さなんかは全然ない、結構ふつうな世界だよなー、って。(…それに、本作で描かれるワンダーランドでの争いは、アリスの内面の葛藤が具象化したもののようにも見える。もしそうだとすれば、それはちょっと単純にすぎるんじゃないか、という気もしてしまう。)
とはいえ、キャラクターのデザイン、映像のセンスに関してはさすがティム・バートンという感じで、画面を見ているだけでたのしめてしまうようなところはある。場面ごとに衣装をチェンジしていく、ミア・ワシコウスカのアリスはキュートだったし、ヘレナ・ボナム=カーター演じる嫉妬深い赤の女王なんて、頭がいびつに大きくてキンキンした声で叫び散らす、心に傷を抱えたキャラクターで、一度見たらそう簡単には忘れられないだろう。