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本、映画、音楽の感想/レビューなど。

なりたくはなかったオトナに近づいていっている

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月曜日。前にも書いたような気がするけれど、俺の暮らしている5.9畳のこの部屋のエアコンはどうやら壊れていて、きょうなんてうんざりするほど寒いのにほとんど冷風しか出してこない。スイッチを入れたはじめの20秒くらいはふわりと温かい風を出してくれて一瞬期待させるものの、それ以降は完全に冷風のみ。ほんとうに無慈悲なやつなのだ。そういうわけで、俺はベッドの上から毛布を取ってきてそれに包まりながらキーボードをぺしぺしとやっている。だって早く映画の感想を書かないと、忘れてしまう。泣きたくなるほど寒い。


2/2
火曜日。秋葉原のデータセンターを出たのは夜の8時過ぎで、そのときはみぞれまじりの雨に強い風が吹いてるな、ってくらいの感じだったけれど、総武線に揺られて中野に着くころには割合しっかりとした雪に変わっていて、歩いているとコートの肩や鞄にはぺしゃっとつぶれた雪の欠片がついてくるようになっていたし、駅前の店で夕食を食べ終わった9時頃にもなると、外はもはやちょっとした吹雪みたいな様相だった。

しっかり降っちゃってきたなーとおもいながらかんがえていたのは、この天気じゃお父さんお母さんも先生たちも気が気じゃないよな、ってことで、えっ俺なにをかんがえてるんだ?って一瞬混乱した後にわかったそれは、いまの自分の生活とはまったく関係がないはずの中学受験生の子たちについての心配なのだった。大抵の中学の入試は、2月1日から5日くらいまでのあいだに行われるのだ。


2/3
水曜日。きょうも帰り道は雪。軽い雪の粒は風に吹かれて舞いたい放題なので、俺の小さな折りたたみ傘ではまるで防ぎきれず、身体じゅうにまとわりつくようだ。屋根の下に入って手で払おうとしてもふわっと溶けるように消えてしまうし、傘はほとんど濡れていない。ただ、ふだん見慣れた夜の道の上にふわふわとした白いやつらが落ちてくるだけで、ちょっと気分が浮き立つような、足取りが軽くなるような、そんな感覚だけがある。あと寒い。

ここのところ、毎晩寝る前にチェーホフの短編をひとつずつ読んでいる。これが一日のうちでいちばん幸せな時間、といって間違いない。というか他にたのしいことがない…。はやく、はやく週末を。。


2/4
木曜日。会社帰りの電車のなか、近づいてくる新宿のビル群を眺めながらぼうっとしているときに、あー俺、なりたくはなかったオトナにどんどん近づいていってるんだなあ、ってふとおもう。なりたくはなかったオトナっていうのはつまり、高校生くらいの頃の自分が見たら一瞬で軽蔑したくなるような、この社会でなんとかやっていくためのスキルばかりに重きをおく、まあそういうふつうの大人のことだ。それはこの歳になってようやく自分の平凡さが身に染みてきたってことかもしれないし、社会にはそういうオトナになるように人を押し流していく強力な流れがあるってことなのかもしれない。あるいはただ、いま疲れているからそんな風にかんがえるのかもしれない。そのどれもが組み合わさったものかもしれない。

こんな気分はきっと、働きはじめてちょっと経ったくらいの人なら誰でも感じるものなんだろうなー、とはおもう。そして俺はとっととオトナになりきってしまわないといけないのかも、って感じもする。でも、俺のかんがえている"オトナ"っていったい何のことだろう?


2/5
金曜日。仕事を無理やり切り上げて、渋谷にてPassion Pitのライブ。去年の5月か6月頃にアルバムを聴いたときは震えるほど感動したものだったけど、ライブはまあまあという感じだった。いや、でもあの頃は気持ちが沈んでばっかりだったからな…そういう弱った気持ちに寄り添って、共鳴してくれる音楽だった、ってことなのかもしれない。いまは弱っているというより、何だかもう、全体的に麻痺している感じ、だろうか。いやだなあ、というか、だめだなあ、それは、とおもう。


2/6
土曜日。タワーレコードにてCDなど大量に購入。最近ちゃんと聴けていないのに、情報はとめどなく入ってくるものだから、どうしたって消化しきれない。それでも買ってしまう。外は風が強くて怒りを覚えるほどに寒かった。家のなかも寒いので、身体を温めるためにひたすら楽器を練習して過ごす。あと、twitterのアカウントを取った。


2/7
日曜日。目覚めるともう13時を回っていて、ちょっと悲しい気分になる。おまけに寝過ぎたせいか頭痛がする。洗濯をして、夕方、渋谷へ。リブロ(大好きな本屋!)で本をいろいろと見て、夜はo-nestにて豊田道倫のライブ。4時間の長尺ライブだったけど、とてもよかった。帰り道、バスがもうないので、寒さをしのぐためにコンビニであんまんを買って、はふはふ食べながら歩いた。また明日から仕事…とおもうと、もうほんとに心の底から憂鬱すぎてジャンプしたくなる。