- 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
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でも、なんなんだろうこのストーリーは!こんなしょうもない話で、どうしてみんな感動したりできるんだろうか!?って俺には超疑問だった。以下に物語のアウトラインを掲載しておく。
1.親の七光りで調子こいてた歌舞伎の二代目(尾上菊之助)だったが、ある日、弟の乳母に諭される
2.菊之助、ぼんぼんだった自分に初めてまともに意見してくれた乳母(お徳)に惚れる。身分違いの恋のはじまり
3.が、ふたりの関係がばれると、当然周囲からは反対されてしまい、勢いで菊之助家出。東京を離れ、大阪へ
4.大阪で芸を磨く菊之助のもとに、お徳がやって来る。つつましいながらも支えあって暮らすふたり
5.大阪での後見人が急死
6.菊之助は旅芸人の一座にまで身を落とす(それをそっと支えるお徳)
7.お徳、厳しい生活のうちに病身に
8.夫の将来を案じたお徳は、菊之助の旧友、福助に菊之助の復帰を懇願。自らが身を引く、という条件で菊之助の復帰舞台を用意してもらうことに
9.お徳の後押しもあり、菊之助がんばる
10.公演は大成功。菊之助、ついに東京歌舞伎に戻れることに。が、それはお徳との別れを意味していた
11.数年後、菊之助たちは大阪へ公演にやってくる。そこでようやく、お徳との関係を親父が認めてくれるように。が、お徳は病気のため死亡
…なんだよこれ!っておもう。全体的に、しょうもなさ過ぎやしないだろうか??お徳の見せる"女の意地"(なんとしても菊之助を一人前の役者にしてみせよう、っていう)とか、菊之助がついに復活するところなんかはたしかになかなか感動的ではあるけれども、とにかく、菊之助のふるまいが本当にどうしようもなさ過ぎていらいらしてしまう。上のアウトラインを見ればわかるように、こいつは、親父やお徳や周囲の作り上げた状況に、ただただ流されているだけなのだ。映画の最初から最後まで、2時間半のあいだ流されるだけ流されて、周囲にべったりと依存しているだけの主人公なんて、はっきり言ってぜんぜん魅力的じゃないよと俺はおもった。菊之助自身がまともに成長しているようにはどうしたっておもえなかった、ってところが致命的だった。
映像的には本当にクオリティの高い作品だとおもうのだけど、このストーリーだけはどうしてもだめだった。こんなに映画の展開にいらいらむずむずしたのはひさしぶり、ってくらい。