15日、豊田道倫の新作『POP LIFE』のレコ発。ゲストにあらかじめ決められた恋人たちへと七尾旅人を迎えてのライブだった。
どちらもはじめて見たのだけど、あらかじめ決められた恋人たちへの池永は格好からしてうさんくさい感じ。でも音には哀愁漂うやさしさがあって、妖しげなダブのなかですうっと響き渡るピアニカがじつにクール。今度アルバム聴いてみなきゃ、っておもった。
七尾旅人はなんだかやたらによく喋る人で、ものすごくわらえるとか含蓄があるとかって感じでもないのだけど、なんだかずうっと聞いていたくなるふしぎなおもしろさがあるのだった。存在感が強烈で、詩人っぽい。そしてやたらに声がいい。豊田道倫のカバーで"夢のはなし"をやったり、ルー・リードの"Walk on the Wild Side"を日本語カバーしたり。よかった。あと、彼も格好がへん。なんか、妙にキラキラしたTシャツかなんか着ていた気がする。
豊田道倫バンドはギターとドラムだけの3人編成。新作からの曲をいっぱい組み込んだセットリストで、初めて聴く"POP LIFE"や"五反田にて"にぐっときたり、"このみ先生"とか"カップルシート"はやっぱりたのしくていいよなー、なんてにやにやしたり。豊田道倫の歌はいつも詞が鋭くて、ぐさっとやられるような気分になったりしがちなのだけど、それがポップなメロディに乗ると本当に映えるな、っておもった。
あと、彼の雰囲気って、ちょっとかなり独特で、それが何度見てもおもしろい。ぜんぜん音楽とかやってなさそうなのに、でも絶対に自分のまんなかに音楽がある感じ。なんてことばにしてしまうと、もう違うな、っておもえてきてしまうのだけど、まあなんとなくそういう印象がずっとある。まずは生きること、生活があって、そしてそのなかで歌がつくられてる、みたいなイメージがあるから、そのために歌がふしぎなリアリティを持っているようにおもえるから、なのかな。よくわからない。とにかく、今年も年末に豊田道倫のライブを見れてよかった。