![イントゥ・ザ・ワイルド [DVD] イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51nAvVnDkNL._SL160_.jpg)
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2009/02/27
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原作からずれたことはほとんどやっていないのだけれど、マッカンドレス君の旅が、生が映像になってる、ってだけでもうじゅうぶんに心動かされるものがある。なんていうか、ぜんぜん他人事として見られないんだよな…。親との確執とか、世の中に対する視線の持ち方とかの感じを、ほんとわかる、とか、ついついおもってしまう。いや、マッカンドレス君のかんがえかたとか、とった行動に芯から共感できる、っていうのとはもちろん違うし、俺は彼みたいな高潔な、自分に厳しい人間とはとても言えないんだけど…。うまく言えないけれど、俺のなかにも彼みたいに生きてみたい、って気持ちは確実にあって、とはいえおそらくそれを自分で成すことはきっとあり得なくて、それでもやっぱり、そういう生き方を全うした人がいた、って事実には胸を打たれるだけじゃなく、どこか勇気づけられるような気がする、んだとおもう。
あと、ある老人が語る、「許すことができたとき、愛せるようになる。そのとき、君の周りの世界には神の光がきらめくだろう」みたいなことばには、正直心が震えた。いまこうやって書いてみると、いかにもベタな台詞なのだけど、この抑制されたタッチの映画のなかでは、ぎりっとした存在感を持っていたようにおもえて。いつか自分で自分のことを許すことができたら…、そんなときが果たして来るんだろうか?ってかんがえていると、おもわず胸がいっぱいになった。
なんとも青臭くて、いろいろとかんがえさせられもする作品ではあるけど、全てを投げうってイントゥザワイルド、ってやっぱりそれだけですごく魅力的だ。アラスカを始めとする、アメリカ各地のワイルドな自然の映像もたのしいし、エディ・ヴェダーの担当したサントラもいい感じだし、素直にいい映画。