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本、映画、音楽の感想/レビューなど。

本-文学-アメリカ文学

『死をポケットに入れて』/チャールズ・ブコウスキー

ブコウスキーの日記。ただ、日記といっても2年半のうちで33日分しかないし、内容についても、ゆるゆると書かれた散文、って印象がある。俺は高校生の頃ブコウスキーがすっごくすきで、この本もたぶんその頃に買ったものだとおもう。当時は、自分のことをやた…

『野性の呼び声』/ジャック・ロンドン

ジョン・クラカワーの『荒野へ』で描かれているアラスカで餓死した青年、クリス・マッカンドレスは、幼いころからジャック・ロンドンの著作の愛読者だったという。そっかー、じゃあ、とおもってこの本を買ってきた。 ひとことでいって、動物ものの小説だ。飼…

「ヒッチハイク中の自動車事故」/デニス・ジョンソン

PAPER SKY(ペーパースカイ) no.23 (京都 (毎日ムック)作者:出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2007/10/25メディア: 大型本雑誌「PAPER SKY」に掲載されていた短編。これはすごかった!クレイジー!!デニス・ジョンソンの小説ってはじめて読んだのだけど(…

「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」/ポール・オースター

なんとかゼミの発表も切り抜け、あと1こレポートを書いたら冬休み。やったー。って書いてみても、べつにあんまり気分は盛り上がらない。なにしろ、俺はふだんから大して授業にも出てない、だめ大学生なのであって、休みだろうが休みじゃなかろうがあんまり日…

『また会う日まで』/ジョン・アーヴィング

アーヴィングの小説のテーマは、昔から(『ガープの世界』、以降)すごく一貫している。時間の流れを描くことだ。そのディケンズ的に長大な物語のなかで、登場人物たちは、時とともに何度も浮かび上がってくる、過去の傷や因縁と対峙しなくてはならない。世…

『僕が戦場で死んだら』/ティム・オブライエン

ベトナム戦争に従軍した経験を持つアメリカの作家、ティム・オブライエンが書くのは、いつも戦争についてだ。この処女作において語られる物語も、ベトナムでの経験がベースにあるものなのだろうけれど、とにかく印象に残るのは小説全体から立ちあがってくる…

『暗闇のスキャナー』/フィリップ・K・ディック

この小説にあるのは、人は現実という巨大なシステムのなかの歯車のひとつにすぎない、という冷徹なまでの視線だ。ドラッグを飲んでトリップすることで、瞬間、ハードな現実から抜け出すことはできる。だが、ドラッグをきめまくった挙句にいきつく先は、死か…

『夏への扉』/ロバート・A・ハインライン

ロバート・A・ハインライン『夏への扉』を読んだ。ひとことでいって、とても爽やかな小説。古きよきアメリカの進歩史観と超ポジティブなエナジーが全編を貫いており、ちょっと引いてしまいそうになるが、でもそこがこの小説のよさでもある。最近気がついたの…