- 作者:チャールズ・ブコウスキー
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2002/01/01
- メディア: 文庫
わたしはいつも外側にいて、決して溶け込めなかった。そのことに気づいたのは、学校の校庭でだった。ほかの子供たちは何でも知っていた。わたしはまったく何ひとつとして知らなかった。すべてが白くて目が眩む光にすっぽりと覆われていた。わたしは愚か者だった。しかしそれでも、たとえ自分が愚か者だったとしても、まったくの愚か者ではないとわかっていた。自分が大切に守っている心の中の秘密の世界があって、そこには何かがあった。それが何であれ、何かがあった。(p.108)
なんて文章を読んで、なんだか勇気づけられていたような気がする。自分の孤独とブコウスキーのことばが感応するようなきぶんだった。もっとも、いまでは孤独なんてことばを安易に自分に当てはめて使うことはできないし――っていうか、おまえのどこが孤独なんだよ!って当時の自分に言いたい。まったく、10代っておぞましい…、とか、つい、わかったようなことのひとつやふたつ、言いたくなってしまう――ブコウスキーの態度は孤独というより孤高、と言ったほうがふさわしいようにもおもえる。
最近、日記を書くってなんなんだろうー、なんてだらだらかんがえているので、この本を久々に読み返してみたのだけど、
わたしからすれば、絶えずノートを持ち歩き、何かを思いつくとすぐにメモする連中は大ばか者にしかすぎない。わたしがこうして日記をつけているのは、誰かがそうするよう提案してくれたからだ。だから、敢えて言うまでもないことだが、わたしはもとからの大ばか者ですらないということだ。しかしどういうわけかこのやり方だと書くのがずっと楽になる。ただ書き流していけばいいだけだ。ちょうど湯気の立った糞が丘の斜面を転げ落ちていくように。(p.37)
って書いてあって。うわー、これってまさにハリエットのことじゃん!とおもった。それにしても、湯気の立った糞が丘を転げ落ちていくって、すごいイメージ!