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Kindle Paperwhiteのこと

Kindle Paperwhiteを買ってから半年ほど経ったので、ここに所感を書き残しておくことにする。Kindleの「いいところ」については、どこでも簡単に確認できるはずなので、このエントリでは、俺にとって「いまいちなところ」を中心に書いておこうとおもう。

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いいところ

  • 画面が見やすい
  • これは素晴らしい。暗闇のなかでも、日向でも、どんな角度でもよく見える。そして、目が疲れない。ふつうの本と比べても遜色ないし、利用シーンによっては、むしろこっちの方が優れているケースも多いだろう。(たとえば、寝るまえ、電気を落とした部屋のなかででも、Kindleでなら問題なく本が読める。iPhoneとかみたいに眩しくないから、疲れないのだ。)

  • 軽い、薄い
  • 片手でまったく問題なく持てる。スーツの内ポケットに入れられるくらいの軽さと薄さ。仰向けに寝転がって使っても大丈夫。

  • 本屋に行かなくても、本が(ときには安く)買える
  • Kindleストアでは、新刊もよくセールになっている。

  • 電池の持ちがいい
  • 電池の残量を気にしないで使えるレベル。こういうところがしっかりしているのはいい。

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いまいちなところ

  • 全体的に動作がもっさり
  • とにかくこれがいちばんイケてないところ!電子ペーパー端末なので、ページ切り替えの速度が遅いのは仕方のないこととは言え、これがいちばんのストレスだ。ふつうに1ページ1ページ本を読み進めていくぶんにはとくに問題ないのだけど、特定のページヘの移動がめんどうなのがきつい。たとえば、本の感想を書くときなんて、目次なりブックマークなりを開いて、そこに移動したりするわけだけど、いちいち画面遷移に時間がかかるのものだから、いらいらさせられてしまうのだ。こんなにもっさりしてるんだったら、ハイライトとかブックマークの機能を使うより、手元にメモしておいたほうが効率的なのでは…っておもえることもあるくらい。

  • ページ数の表示がない(本によってはある)
  • これも結構厳しい。Kindleでは、ふつうの紙の本についているページ番号の代わりに「位置No.」という機能で全体の分量が表わされる。これは、端末の画面サイズやフォントのサイズに依存しないでページ数を表したい(=1ページに収まる字数をフレキシブルにしたい)、ってことが理由なのだろうけど、はっきり言ってこのNo.というやつがぜんぜん直感的な数値でないので、まるで参考にならないのだ。(「270ページ」って言われれば、どのくらいの分量かわかるけれど、「No.1430」なんて言われても、ピンとこないでしょう?)この「位置No.」を実際のページ番号に対応させる機能をつけてくれたっていいじゃんなー、とおもう。(あと、ページ数がわからないと、アカデミックなマーケットでは活用しにくいのでは?って気もする。)

  • 自分が本全体のどのあたりを読んでいるか、ってことが直感的にわかりにくい
  • これは、Kindleを使っていてはじめて意識した、本のメリットだ。こういう話はたしかこの辺りに書いてあったよね…ってことがおぼろげであれ、頭に残っているのって、わりと重要であるらしい。本の内容が物理的なページの厚みなんかと結びつけられることで、記憶しやすくなったりするのかもしれない。あと、紙の本みたいにぱらぱらーっとめくって見ることができないのも予想外に辛かった。数ページ前に書かれてたことが気になったりしたときなんて、不便だなーとおもう。

  • Kindleストアがしょぼい
  • まだまだ新刊はビジネス書とかエンタメ系が中心って印象がある。まあ、これは仕方がないことだ。個人的には、古典の新訳とかがいっぱい入ってくれるとうれしいんだけどなー。

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そういうわけで、俺がKindle Paperwhiteを利用するのは、ほとんどの場合ベッドのなか、就寝前の10分くらい、という感じになっている。ふだんから本を常に持ち歩いているので(持ち歩いていないと不安になる)、わざわざ外出中にKindle端末(あるいはiPhoneのKindleアプリ)を使う理由があまりないのだ。しっかりノートを取ったりするのにはまだまだ紙の本の方が便利だと感じられるので、Kindleで読むのも、軽めの本、個人的に重要性の低い本が中心。買って失敗だったとはおもわないけれど、あまりうまく使えていないなー、というところだ。