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『Songs For Christmas』/Sufjan Stevens

Songs for Christmas

Songs for Christmas

気がついてみれば、そろそろクリスマス。白や黄色や青の光に彩られた夜の街で、恋人たちは寄り添って歩き、子供たちはサンタクロースの来訪を心待ちにしながら眠りにつく…いつの間にか、もうすっかりそんな時期になっていたなんてね!いまの俺の仕事はシステム保守なので、今年のクリスマスが何曜日だろうが何だろうがあまり変わり映えのしない日々――トラブルの電話に戦々恐々とする――を過ごしているわけだけれど、でもちょっとくらいこの季節のうきうき気分を味わったっていいじゃない!ということで、今週くらいは、この日記でもクリスマスっぽい作品を取り上げていってみようかなとおもう。

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この季節に毎年よく聴いているのがこれ、スフィアン・スティーブンスの『Songs For Christmas』。クリスマス曲ばかりが入った5枚組ボックスだけど、内容的には1枚ずつで完結しているので気軽に聴ける作品だ。バンジョー、マリンバ、アコギにホーンのシンプルな演奏にスフィアンのあのかすれた歌声が乗る、ってもうそれだけで素晴らしいに決まっているのだけど、トラディショナル・ソングやキャロルがいっぱい取り上げられていたり、宅録のルーズな味わいもあったりで、かっちり構築されて緊張感のあるスフィアンの最近のアルバムと比べるとずっとくつろいだ雰囲気になっているのがまたいい。

ちなみに、俺は夜ベッドに潜り込んで、ふうーきょうも疲れたな…なんておもいながら眠りにつく、ってときにこのアルバムを小さな音でかけることが多いのだけど、そういう疲労感とか眠気とかにもじつにぴったりくる音楽だ。優しく、穏やかで、でもちょっと暗くて。