Show Your Hand!!

本、映画、音楽の感想/レビューなど。

夏休み日記 09(その4)

8.28
早朝、岡山を出て山陽/東海道本線に乗っかって岐阜に向かう。今年も叔父さん家に泊めてもらうことにしたのだ。13時には岐阜駅に到着し、駅のミスドで叔母さんと一学年分大きくなった従姉妹のチビッコさんたち2人(小4♀・小1♀)とごはんを食べて、車で家へ。

それから夜9時まで、もうひたすら彼女たちの遊び相手になることに。カードやら人形やら、お手製の人形劇セットやらを、これ見てこれ見て!これやろう!って次から次へと出してくるので、それに延々とつきあうのだ。大したことをしているわけじゃないし、正直疲れはするのだけど、これが意外とたのしい。自分のことを子供好きだとおもったことはいままで一度もないけれど、でもたのしい。というか、去年の日記にも書いたはずだけど、この子たちはまじで超かわいいのだ。それはもうフィービーも顔負け、ってくらいに。あー、俺もかつてはこんなかわいげのある子供だったんだろうか…いや、それはないよな、きっと…俺は素直さの欠片もない、ただの弱気なシャイボーイだったじゃんね、とか内心おもいつつ、やさしいお兄さん面をしてひたすら遊んだ。

夕方にはもうへとへとになっていたけど、晩ごはんに近所のお好み焼き屋にみんなで向かうあいだ、チビッコ2人と左右の手を繋いで広い道路を歩いていると、何とも言えず平和な気分になり、うわ、なんか幸せだなー、この子たちすごいなー、とおもったりした。


8.29
朝8時頃起床で、また午前中いっぱい2人の遊び相手になる。去年はじめて教えてもらったポケモンカードの遊び方だけど、俺はもう完璧にマスターしたとおもう。

昼食の後、従姉妹たちが学校の友達と遊びに行き、ようやく自由の身になったので、ひとりで長良川まで歩いてみることにした。雨が降り出しそうなくらいに曇っているけれど、じっとりと暑い。ここはもともと母の実家だったので(祖父は10年くらい前に、祖母は15年くらい前に亡くなった)、小さい頃はよく来てたよなー、この道を親父と妹と3人で歩いたことも、何度かあったっけ…なんてかんがえながら進んでいく。おもえばあの頃、おじいさん家から川までの距離は本当に果てしなく遠いものだったけれど、今回歩いてみると拍子抜けするほどあっという間に着いてしまい、俺はいつの間にか過ぎていた時間の長さをおもったのだった…的な感じになったりするかなー、なんてちょっと期待していたのだけど、そんなことはなくて、やっぱりふつうに結構遠かった。

どんよりした空の下で流れる長良川は広くて穏やかで、うーんやっぱり川っていいよな!なんて気分を盛り上げようと試みるけれど、どうにも陰鬱な天気であることには変わりなく、昔こうやって石投げて水切りとかやったりしたよねー、なんて思い出に浸ったりすることもなく、足早に家に戻る。

今夜は家で夕食。この家はみんなカトリックで、食事のまえに感謝の祈りをする。4人とも早口でぱぱぱってやってしまうわけだけど、信仰のない俺はその時間がなんとなく手持ちぶさたで、でもちょっとだけ、信じれるものがあるっていいな、とか安易な感じにおもったりしてしまう。自分の他にも、自分と同じものを同じように大切に信じている人がいるんだ、って実感できることはどれだけ人を強くするだろう、とかそんなことをかんがえてしまうのだ。中高といわゆるミッション系の学校に通いながら、そんなことは一度もかんがえたことはなかったのに、これって成長だろうか、それとも単に俺が弱くなっただけだろうか、なんてぼんやりする。

で、その後またまた従姉妹2人とかわりばんこに遊び、9時頃とうとうお暇することに。こんどいつくるの?すぐくる?またぜったいぜったいきてね!と繰り返し言われ、うんうん来る来るすぐ来るからちゃんと待っててよーと返し、ハイタッチして、叔父さん叔母さんにお礼を言って別れた。春まではかてきょやら塾やらで毎週小学生を相手にしていたわけだけど、久々に子供と遊びまくって、こういうのも結構いいな、とおもった。しかしこの子たちもこれからいろんな経験をして、傷ついたり傷つけたりしながらなんとなくオトナになっていっちゃうんだろうなーとおもうと、なんていうか胸が痛くなる。でもだからって、俺やあるいは別の誰かがキャッチャー・イン・ザ・ライになるってわけにはいかない。結局、みんなひとりでオトナになる他ないのだ。

岐阜から名古屋まで移動し、夜行バスに乗る。もともとは明日一日かけて鈍行で帰るつもりだったのだけど、来週からの仕事に備えて体力を温存する方向でいくことにしたのだ。やれやれ、休みちゅうにも次の仕事のことをかんがえる、これが社会人ってやつですか、なんだかなあ…とかおもいつつ、イヤホンを耳に突っ込み、iPodの旅用プレイリスト(去年とあまり変わってない)をかけて、眠りに落ちた。


8.30
日曜日。早朝に新宿に着き、もう旅行終わっちゃったな、っていうか夏休みももうおしまいだな…とさびしい気持ちになりながら家に向かう。まだ関東バスは動いていないから、中野駅から新井薬師の方向に、睡眠不足でだるい身体をずるずる運ぶようにして歩いていった。空は少しずつ明るくなってきていて、夏らしい、暑い一日になりそうだった。