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ウィーン少年合唱団@東京オペラシティコンサートホール

6/17、東京オペラシティにて。「天使の歌声」でおなじみウィーン少年合唱団の、超絶ハイクオリティな歌声を堪能させてもらった。

今回来日していたのはハイドン組*1。20数名のメンバーは、10〜14歳の男子たちで、国籍も体格もさまざま。かなり堂々とした体格の子から、ものすごくひょろっとしてちっこい子もいる。なので、さすがに個々の声量の違いなんかは結構あるようだったけれど、とにかく全体としての音色の美しさや立体感、音程やリズムの安定感が素晴らしく、いつまでも聴いていたくなるような圧巻のパフォーマンスだった。

また、合唱のクオリティとは裏腹に、舞台上にはまあまあゆるい雰囲気もあったりして、そんなところはキュートでもあった。明らかに制服がうまく着れていない子や、ときおり欠伸をしたり鼻をこすったりしている子、ふたりで顔を見合わせてにやにやしている子たちなんかもいたりして、なんとものびのびとした自由な空気を感があって。今年で創立525周年だという合唱団のそんな雰囲気はちょっと意外でもあったけれど、音楽の素晴らしいクオリティと相まって、とてもよかった。そんな彼らをまとめ上げ、ピアノの弾き振りをするカペルマイスターのジミー・チャンも、どこか引率の先生のようなのんびりとした雰囲気を醸しつつも、でもピアノの音はとても明瞭で精密、まさにクリスプという感じで、格好よかった。

とにかくソプラノもアルトも美しすぎ、クオリティが高すぎて、年齢とか性別とかも関係なく、ただひとつの天上的な音楽として完成している感じが素晴らしかった。世俗にまみれ汚れきった自分には眩しすぎる、っていうくらい。もう全曲良かったのだけれど、とくに印象深かったのは、フォーメーションを組んでスキャットで歌われた"アイネ・クライネ・ナハトムジーク"(←創立525周年とK.525をかけているらしい)、インドの献身歌、"美しき青きドナウ"、アンコールの"ラデツキー行進曲"あたり。

曲目は以下のとおり。

モーツァルト:カンタータ《汝、宇宙の魂に》、アイネ・クライネ・ナハトムジーク
クープラン:歓喜せよ
ハイドン:アニマ・ノストラ
シューベルト:反抗
ロッシーニ:3つの聖歌より《愛》
ビーブル:アヴェ・マリア
シューベルト:鱒
オーストリア民謡:森のハンス
J. シュトラウスⅡ世:《ウィーンの森の物語》
ニュージーランドの労働歌(シー・シャンティ):ウェラーマン
イラディエル:ラ・パロマ
オードウェイ:家と母を夢見て、旅愁、送別
滝廉太郎:荒城の月
岡野貞一:ふるさと
ラヴランド:ユー・レイズ・ミー・アップ
インドの献身歌(バジャン):ラーマ卿よ、ラグーの子孫よ
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・フランセーズ《上機嫌》、ポルカ・シュネル《永遠に》
J. シュトラウスⅡ世:《美しく青きドナウ》
J. シュトラウスⅠ世:《ラデツキー行進曲》

*1:ウィーン少年合唱団には、全体で100名ほどのメンバーがいるが、シューベルト、ハイドン、モーツァルト、ブルックナーという合唱団ゆかりの作曲家名を冠した4グループに分かれて活動している。