- 発売日: 2015/12/29
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でもまあとにかく、この映画の凄みは、へたれで器の小さなふるさわ監督の一挙一動のおもしろさ、これに尽きると言っていいだろう。気に入った女には迷わずタッチ→セクハラ→ストーカー、お偉いさんにはすぐへこへこするし、酔っ払ってはくだをまき、後輩には威張り散らして絡みたい放題。おもわず、監督…これって…素なんでしょうか…、って聞きたくなっちゃうくらいに捨て身でリアルな怪演なのだ。
そんなふるさわ監督の変態っぷり、だめっぷりに笑わされながら見ていると、ふとした瞬間、物語のなかにそこはかとない詩情が醸し出されてきていることに気づかされる。最初から最後まで、エロとセックスが忘れられることなんて一秒もないのに、なんだか妙にさわやかな風が吹き抜けているのだ(で、それはそれでまたなんだかおかしくって、笑えてしまうのだ)。
笑いと欲望と愛の成分とがまぜこぜになった、チープでキュートな佳作、そんな風に言っていい作品だとおもう。