- 発売日: 2017/06/30
- メディア: Prime Video
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性的倒錯とそれに関連した犯罪、っていう意味ではいつも通りのアルモドバルだとはいえ、今作における突き抜けちゃってる感はすごすぎる。ストーリーについて言及するとすぐにネタバレに突き当たってしまうので、ここでは詳細は書かないでおくけれど、愛と憎しみと欲望と、それに対する尋常でない執着心とがひとつ釜のなかでごたまぜにされていくようす、そして、SとMの役割がどこまでも絡まり合いながらいつしか反転していくような展開は、もうはっきり言って、完全に予想範囲外のものだった。
登場人物に感情移入できるような作品ではまったくないし、物語も壮絶とか悲劇的いうよりはほとんどギャグみたいにぶっ飛んでいるのだけれど、各シーンの画づくりや流れる音楽は非常にクールでおしゃれ。冗談のようでいて、でもきっとこれはほとんど完全に本気なのだろうとおもわせられる、なんともクレイジーとしか言いようのない映画だった。