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『セブン・デイズ・イン・ハバナ』

渋谷ヒューマントラストシネマにて。キューバを舞台に、7人の監督が7つのエピソードを描いた短篇集映画。どのエピソードにもわりとくっきりとしたストーリーがあるところ、キューバが舞台、ってだけで、そこで扱われるテーマ自体は比較的普遍的なものばかりであるところなど、全体的に親切設計というか、ひねくれたところのない作品だとおもった。

7つの短編はどれもなかなかたのしかったのだけど、俺はやっぱりクストリッツァ監督が出演している、第2話「ジャムセッション」が好みだった。ハバナの映画祭に呼ばれたクストリッツァが、昼間からべろんべろんに酔っ払ったり、国に残してきた奥さんに何度も電話したり、車の運転手とジャムセッションで大盛り上がりしたり…。なんてことはない話だとはいえ、クストリッツァがキュートだし――いや、むさ苦しいちぢれ毛の酔っぱらいおっさんがイェーイェー言ってるだけなのだけど――とにかく、作品全体に横溢するポジティブ感が素敵だった。

他にも、アメリカからの観光客がキューバのナイトライフを初体験する話、クラブシンガーの女の子がキューバを出るべきかどうかでおもい悩む話、天啓を受けたというばあちゃんに言われるがまま、アパート総出で祭壇を作る話なんかが、ポップでよかった。