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『一流の頭脳』/アンダース・ハンセン

一流の頭脳を手に入れるためにはどうすればいいか…それには運動だ!ということを、じつにさまざまなバリエーションでもって説いている一冊。ストレス、集中力、記憶力、創造性、学力、健康etc.と章立てこそ分かれているけれど、それらすべてにプラスの影響があることとして、とにかく運動を継続的に行うことが大事です!というのが本書の超シンプルな結論だ。ランニングやスイミングなど、心拍数が大幅に上がる有酸素運動を最低20分(できれば45分以上)、週3回以上、半年くらい続けることができれば、それはもう目覚ましい効果があるだろう、とのこと。

ハンセンは、さまざまな実験の結果をもとに上記の結論を導いている訳だけれど、運動というやつがそれほどまでに人間の脳に有用である理由としてはこんなことが挙げられるだろう、と述べている。

人類の歴史において、ほんの短期間に生活様式がことごとく変わり、それによって身体を動かす必要性は半分に減った。人類の進化が何万年もの年月をかけて緩やかに進むことを考えると、私たちの生活様式は、脳の進化の速度をはるかにしのぐ速さで変わったことがわかる。生活様式の変化に、肉体が追いついていない状態だ。 生物学的には、私たちの脳と身体は今もサバンナにいる。私たちは本来、狩猟採集民なのである。(p.294)

現代人の生活環境と肉体とがコンフリクトを起こしており、その解消のためには運動が必要だ、ということらしい。

もともと、脳のいちばん大事な仕事というのは、その生物の動きを制御し、移動させることにあったという(植物は脳を持たない)。であれば、身体を動かさないでいることが脳に悪影響を与えないはずはないだろう、とハンセンは続けている。

現代人を悩ませている「あらゆる心身の不調」は、身体を動かさなくなったことが原因だと考えていい。人類は、「生物としての歩き方」が間違っているのだ。(p.294)

わたしたちが「祖先の生存の可能性を増やした行為と同じこと」をすると、脳はそれを繰り返させようと快感を与えてくれる。だから、運動をすることでドーパミンやセロトニン、エンドルフィンといった脳内物質が放出されるし、それらの効果によって不安が抑制され、幸福感がもたらされることになる。記憶力や集中力と行った能力に関しても、運動によって強化していくことができる、というわけだ。