- 作者: 林望
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2008/10/18
- メディア: 単行本
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またしても、林の文章術本。図書館で、『文章術の千本ノック』のとなりにおいてあったので、いっしょに借りてきたのだ。100ページ程度の小さくてシンプルな本だから、1時間もかからずに読めてしまいそうな一冊だけれど、いちおう、本書における林の主張について、メモを残しておくことにする。
- 品格のある、まともな文章を書くためには、まずは日常の話し言葉をまともなものにしていかなくてはならない。ふだんから、下品な言葉を使わないよう心がけること。
- 感情語(うれしい、かなしいなど)の利用はできるだけ避けること。その代わりに、具体的な描写によって、読者に作者と同じ経験を追体験させるよう意識すること。
- 自分の好きな作家の文章を筆写してみることの意味は大きい。その作業によって、作家の文章の呼吸(漢字とかなのバランス、句読点のタイミングなども含めて)を体感し、体得することができるだろう。
- 日本の古典文学のクオリティははすばらしいので、つべこべ言わず、ぜひ読んでおくこと。
…というわけで、本書にもとくに真新しい主張というのはない。何か一冊でも文章読本系の本を読んだことのある人なら、読んでもあまり得るものはないかもしれない。まあ、ますますもって国語の先生っぽい林の口調をたのしむという意味では、お手軽だし、悪くはないかも。