
公演概要・所感
以前にRadioheadのライブに行ったのは2008年のことだったので、トム・ヨークの姿を見たのは16年振りということになるようだった。(Atoms For Peaceのライブは行っていないとおもう…たぶん。こういうとき、ブログにメモレベルでもいいから毎回書いておくべきだよなとおもう。まじで、「このライブに行ったかどうか?」みたいなレベルのことすら、記憶があやふやになってしまうのだ。)
ステージ上には、キーボードその他の各種機材(よく見えなかった)が半円を描くように配置されており、その中心に立つトムが、ギター、キーボード、打ち込み、いずれもひとりで演奏していくスタイルになっていた。サポートメンバーの登場は一切なし。
トム・ヨークの声はやはり味わい深く、次々と休みなく繰り出される音楽はいずれも美しく、端的にいって最高なライブだった。もっとも、自分の座席は2階席だったので、音圧に関してはやや物足りない感じはあったかもしれない。もう少しステージに近い席であれば感じられたであろうより強い音圧をイメージしながら聴く、みたいな瞬間がそこそこあったような気がする。
枯れて無防備なトム・ヨークの「EVERYTHING」
Radioheadは洋楽を聴き始めた中3のころからいちばん好きなバンドのひとつではあり続けているものの、ここ10年くらいは彼らの曲を聴くことは少なくなっていて――そもそも新作らしい新作も出ていないし――トム・ヨークのソロ曲の方が沁みるようになっていたのだけど、それは自分がバンドや楽器の演奏というものからすっかり離れてしまったことと無関係ではないようにおもう。
単純に、大勢が関わるようなテンションの高い音楽があまり聴けなくなっている、というか。ソロ曲のほうがビートやオーケストレーションがシンプル、断片的で、そういう手作り感の強いものの方に惹かれる感じがする。歌詞についても、内省的で閉塞感強めな傾向が自分のいまの心情にフィットするし。そういうわけで、今回のトム・ヨークの完全ソロ公演は、まさに最近の気分にぴったりのライブになっていたのだった。
セットリストは、ツアータイトル「EVERYTHING」に偽りなしという感じの、全キャリアを総括するような内容になっていた。冒頭からして、”Weird Fishes / Arpeggi”, ”Pyramid Song”と立て続けにRadioheadナンバーなのだ。演奏的には、キーボードや打ち込みのリフに歌を乗せるだけ、といったシンプルなものも多く、原曲と比べると骨組みだけというか痩せているというか、そんな印象を受けたのだけれど、その枯れた感じ、なんだか無防備な感じこそが、とてもしっくりきた。
個人的なハイライトは、”Daydreaming”の桃源郷的なムードや、オリジナルよりもビートがずっと激しくなった”Idioteque”あたり。あと、最後に演奏された”Karma Police”のアコギの音も迫力があって本当に美しかった。
セットリストは以下のとおり。
Weird fishes / ArpeggiPyramid song
A Brain In A Bottle
Packt Like Sardines In A Crushd Tin Box
Grass Eyes
Jigsaw Falling Into Place
Nose Grows Some
I Might Be Wrong
Videotape
Back In The Game
Volk
Daydreaming
Black Swan
Follow Me Around
Dawn Chorus
Airbag
Atoms For Peace
Not The News
Idioteque
<アンコール>
All I Need
Cymbal Rush
Karma Police