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『Never Cry Another Tear』/Bad Lieutenant

ネヴァー・クライ・アナザー・ティアー

ネヴァー・クライ・アナザー・ティアー

ニュー・オーダーのバーニーの新バンド、バッド・ルーテナントのデビュー作。どうせニュー・オーダーじゃないし…って、俺はスルーしてしまうつもりでいたのだけど、渋谷のタワレコでこのアルバム一曲目のイントロがかかった瞬間、これは!バーニーのメロディだっ!!っておもって試聴もせずにCDを持ってレジに直行してしまったのだった。

ニュー・オーダーが好きなひとならきっと誰しも、期待が半分恐れが半分という感じでこのアルバムを聴くのだろうとおもうんだけど、やっぱりというか残念ながらというか、このアルバムを聴いたことでいま再びニュー・オーダーのミラクルっぷりを見せつけられたような気分になってしまった。すぐれたバンドっていうのが、いかに微妙なバランスの上で成り立っているのか、ってことをおもいしらされた気がした。

メロディーというか曲の構成は、聴けば一発でああバーニーだなって感じさせるものだし、歌詞だって20年以上前と同じようなことしか歌ってない。だからそれだけでもじゅうぶんいいじゃん、って言えばまあそうなのだけど、でも、どの曲もニュー・オーダーで演れそうなだけに余計に、このリードギターがフッキーのベースだったら最高なのに…とかんがえずに聴くことができなくなっていってしまうのだ。

とはいえ、衝動的にこのアルバムを買ってからひと月近くというもの、俺はなかなか熱心にこのアルバムを聴き続けている。あともう1プッシュ足りない、でもこうやって聴いてるうちにこの新バンドならではの何かが見つけられるかもしれないし…なんておもいながら。そういう時間もなんだかんだでたのしかったりするのだ。だいたい、ニュー・オーダーが活動を止めてもなお現役でアルバムを出してくれる、ってだけでも素晴らしいじゃんね、というのはたしかなのだし。