DVDで。とにかくたのしいねこれは!やっぱりこうでなくっちゃ、って言いたくなる要素がいっぱいに押し込まれていて、かなりわらえる、ひたすらおもしろいエンタテインメントに仕上がっている。や、でもちょっと変わった作品なのかな、これは。
漢江の川辺で売店をやっている一家が主人公で、怪獣(グエムル)に連れ去られた娘の復讐のために立ち上がる。その辺り、まあ予想通りの展開ではあるんだけど、いわゆる怪獣映画とかハリウッド仕様のエンタメっていうわけではなくて、全体的にひねているし、くだらなさ、B級な匂いが濃厚で、どういうタイプの映画、ってひとことで言い表せない感じがおもしろい。
俳優陣が豪華でキャラクターひとりひとりが立っているところ、怪獣の造形が迫力十分なところ、むやみに反米的なところ、コントっぽいシークエンスが妙に多いところ、テンポが微妙に悪いところ、シリアスな場面でも音楽がコミカルだったりするところ、そういうのが全部集まって独特な味わいを醸し出している。
悲劇と喜劇が同居している、なんだかひねくれたような作風だから、観客みんなに同じようなカタルシスを与えられる映画ではないとおもうけど、俺はかなりすき。合同追悼式のシーンとか、家族で食卓を囲むシーンのおもしろさは、ぜったい邦画ではありえないような感じで、こういうおもしろ映画が大ヒットする韓国って日本とははっきりと違う文化的土壌があるんだろうなー、とかおもったりした。