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鮪のこと(その2)

最近、夜眠れなくて困っている。昨日なんかも目が冴えまくってぜんぜん眠れなくて、結局徹夜のまま面接受けることになっちゃったし。今日も眠れないまま朝を迎えようとしているので(いま寝たらぜったい授業に出れない…)、俺がかてきょをやっている小6男子、鮪の話をまた書こうとおもう。

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小学生とかが家で買い与えられる、いわゆる学習机みたいなやつって、机の上一面に薄いビニールのシートみたいなのが置いてあるでしょう?時間割とか、ちょっとプリントなんかをはさんでおけるようになっている感じの。ねぎとろおにぎりの一件からしばらく経ったある日のこと、鮪の横に座って勉強のようすを見ていた俺は、そのシートと机とのあいだに、マグロの絵が描かれたルーズリーフがはさまっているのを発見した。

それは鮪直筆の、精妙なマグロのイラストだった。まず、紙の中央に大きなマグロの絵(←妙にリアル)があり、そこへ線が引っぱられて、○○マグロ、とか書いてある。その左上には、大きくきっぱりとした“鮪”の文字があって、この紙に描かれているのがマグロ関連のいろいろであることを強く主張している。下のほうには、おかしな形に歪んだ日本地図とその周辺の海とが描かれていて、上のマグロがどの海域で獲れるのかがわかるようになっているのに加え、それぞれの海で獲れる鮪の種類が詳細に記されてもいる(ひがしシナかい:メバチマグロ、日本かい:クロマグロ…)。彼はたべものとしてのまぐろのみならず、生物としてのマグロの愛好者でもあるということに、俺はここで気づいたのだった。

しかし、驚くべきは“ひがし”も“かい”もひらがなのくせに、“鮪”だけはきっちり漢字表記になっているという点だ。鮪の漢字読解能力、語彙の少なさはかなりとんでもないレベルで、たとえば、“姉”“妹”のどっちが“あね”で、どっちが“いもうと”なのか区別がつかなかったり、“一郎、二郎、三郎”を“いちたろう、にろう、さんろう”と読んだり、“親切”を“おやせつ”と読んでしまったりするような、大変困ったちゃんなのだけれど、マグロに対する愛がそうさせるのか、どういうわけか“鮪”だけはばっちり漢字で書けているのだった。

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かてきょをやるとき、とくにやる気のない小学生を相手にするときは、できるだけやつらの世界に入っていくこと、やつらの興味・関心(たとえば、ポケモンとか)にできるだけ接近していくことが肝心だ。やつらは基本的に自分のいる世界しか見えていないし、見ていたとしても自分と異なる世界のものごとには大して興味を持とうとしない。そういうわけで、すきなものが鮪ってことになると、これはなかなか厄介なのだ。社会科の漁業の単元はともかくとしても(沖合漁業、遠洋漁業とかね)、やっぱりちょっと接近しづらい。べつに鮪の他にもすきなものがあればいいんだろうけど、残念ながら鮪以外の話題ではめぼしい反応が得られていない、というのが現状なのだ。もう半年以上かてきょやってるのに…。