Show Your Hand!!

本、映画、音楽の感想/レビューなど。

スターバックス武蔵境イトーヨーカドー店にて

ジョン・レノンの"ハッピー・クリスマス"が流れている。となりのテーブルにははがきがたっぷり積んであって、大学生くらいの女の子が年賀状を書いている。水彩絵の具で、抽象的な模様がうっすらと描かれているのが目に入った。かっこいいデザイン。おまけに字がすごくきれいだ。俺は本を読んでいる。メモをとりながら。でも読書に集中してはいない。集中しないで、ケータイでこんなどうでもいいことを書いたりしている。店員の声がきこえる。

「アイスココアおまたせしましたあー」アイスココア。ランドセルを背負った女の子がカウンターに向っていく。モスグリーンの制服で、マスクをしている。ぺこぺこしたプラスチックの容器にはいったアイスココアをうけとった。いいの、あったかいのじゃなくて?窓際の席、ちょっと冷えるじゃん、などとおもう。でも、きっと平気なんだろう。それに余計なおせわだ。

かんがえてみれば、小学生というのはふしぎだ。やつらは妙に寒さに強い、とおもう。俺がかてきょをやってる男の子も、年中半そで半ズボンというスタイルを貫いている。寒くないの、っていつも聞くんだけど、寒くないよーってあっさり返される。うそ、寒いだろ。いま冬じゃん。っておもう。でも、俺自身にしたって、ほんの10年前には、1年中制服の半ズボンをはいていたんだった。ひざこぞうをまるだしにしたまま、バスに乗って電車に乗って、横浜駅から歩いてダイヤモンド地下街を抜けて、坂道をのぼって、1時間かけて毎日小学校に通っていた。いまよりずっと規律にしたがった生活を送っていた。寒い冬の朝も、毎日6時には起きて。年賀状も、プリントごっことかつかってちゃんと1月1日に届くように書いて。いまでは冬に半ズボンをはくことはない。というか、夏にだってあんまりはかない。でも、もしかしたら案外平気なのかもしれない、っておもう。だって小学生はぜんぜん冬を寒がってないんだから。

女の子はまだ年賀状を書いている。「あけましておめでとう」。その先はよくわからない。だってそんなにじっくり見ているわけにはいかない。でも書くスピードはさっきよりもずっと早くなっている。さっきよりもすらすらとペンが動いている。