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遠慮せず帰る

バイトで、週3ペースで小6の男の子の家庭教師をしている。中学受験生だ。その子には、俺よりもずっと前からやっているメインのベテランの女の先生と、さらにもうひとり先生がついている。だから、ひとりの小学生に対して3人のかてきょがいる、というわけだ。その男の子は自分では勉強できないから、って理由で先生が3人もついているのだけど、こんな毎日のようにかてきょが来たら、そりゃ自分から勉強なんてしなくなるよなー、なんて、ちょっとおもわなくもない。

まあそれでもやっぱり、成績なんかはあまりよくなくて、俺の担当は社会だから(3人は教科を分担して教えている)、この時期になっても毎週のように、「平等院鳳凰堂を建てた人は?」「うーん、道長!」「ちがうだろー、おいー(いい加減にしろやー)」みたいなことをやっている。こないだ、っていってももう2週間くらいまえかな、その子の机のまえに、こんなことを書いたでっかい紙が貼ってあった。

先生方へ 
時計と鉛筆と消しゴム(←受験の必需品)、「必ずする」と言った宿題が出来ていない時は、
本人が「する」という気持ちがないので、遠慮せず帰ってください。

もちろん、メインの女の先生の字だ。で、その文章のしたに、「必ず守ります ○○○(男の子の名前)」ときたない字で書いてある。

これを見たときにはついわらっちゃったんだけど、でもたしかに小学生には効果があったようで(たぶん、さんざん説教もしたんだとおもう)、この紙が貼られて以来、時計と鉛筆と消しゴムはかろうじて机の上に置かれているようになった。っていうか、それまでは勉強しようにも机まわりに鉛筆が1本もない、消しゴムなんて消しかすの丸まったやつくらいしかない、なんて状況がわりとふつうだったのだ。12月に入ってからやっとこれ、って遅すぎかもしれないけど、これはこれで大した進歩だ。俺は、まったくもって無責任な感想だけど、なんかいいなーこういうの、なんておもったりした。