- 作者:都留 泰作
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/02/23
- メディア: コミック
- 作者:都留 泰作
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/23
- メディア: コミック
世界征服を(いちおう)企む青年の視点を中心に描かれているんだけど、彼以外の人々のかんがえていることが、なにしろ全然わからない。たとえば、マンガだから登場人物の顔はだいたいいつも見えているわけなんだけど、なんというか、その顔だけを見ていても、ちょっとそれだけでは「読めない」ような、絶妙な表情をしている。この、まったく他人同士のやりとりって感じがおもしろい、っておもった。彼らのきもちは通っているんだかいないんだか、いまいちわからないし、SF的設定や、南国ならではの土着の風習だとかもあいまって、自分のいるこの世界なんて何ともわからないことだらけだ、っていう感覚がいい。全体像なんてまったく見えてこない(いまのところは)し、何より他人が他人として生きている感じがあり、そこに妙にリアルさを感じてしまう瞬間があって、なんか、あんまり味わったことのないおもしろさがあるような気がした。
全体像がなかなか見えてこない、ということはつまり、どういう作品なのかまだよくわからないので、先の展開はほんとに予想がつかない。2巻からは物語が動き出した感があって、この辺からどんどんハードSFみたいな展開になっていっても、それはそれでおもしろそう。