早稲田松竹にて。三木聡監督の映画ははじめて見たのだけど、なかなかよかった。松尾スズキ演じる精神科医と、その患者(オダギリジョー、市川実和子、田辺誠一)とのからみがメインのコメディ。いわゆる“ビョーキ”をテーマに扱っているのだが、まったくシリアスにならず、ひたすらくだらないわらいとして消化していくところにセンスのよさを感じた。最近でいうと、『サイボーグでも大丈夫』なんかにも、ちょっと近いニュアンスがあった気がする。まあこの作品は、もっと、だいぶ、全体的にゆるくて、てきとーな感じだけど。
話じたいはやや平凡。この映画のおもしろさは、どうしようもないギャグが快適なテンポでどんどん繰り出され、ひたすらぐだぐだなわらいが続いていくところにあるとおもう。なんか、見ていると、気持ちがどんどん弛緩してくるような。そこがいい。読んでないで勝手に言うんだけど、たぶん原作とはまったくちがうおもしろさを持った作品になっているんじゃないだろうか。
あと、田辺誠一の話については、もうちょっと膨らませていけそうな感じがした。こういう映画って、なんかふつうだな、ありきたりだな、っておもわれたらまずいんじゃないかとおもうのだけど、あれだけで終わりだと、ちょっと物足りないかなー、って。