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本、映画、音楽の感想など。

村上春樹

『職業としての小説家』/村上春樹

村上春樹による自伝的な小説家論。どのようにして小説を書くに至ったか、個人的なシステムにしたがって毎日休まず書くこと、書き直すこと、走ること、観察すること、他人の意見について、文学賞について、海外での受容についてなど、過去にもあちこちで少し…

『女のいない男たち』/村上春樹

村上春樹の2014年作。短編集としては、前作『東京奇譚集』から9年ぶりの新作ということで期待して読んだのだけれど、これは素晴らしかった。『1Q84』あたりから、村上の作品の雰囲気はそれまでよりぐっと静謐なものになっているように感じられていたのだけれ…

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』/村上春樹

今作の基本的なトーンというのは、いままでの村上の小説を読んできた読者にとってはおなじみのものだ。主人公の多崎つくるは、(例によって)内向的で自己完結的、他者と深く関わることのない生活を送っており、生きることに対して積極的な関心を持っていな…

『ワールズ・エンド(世界の果て)』/ポール・セロー

米作家、ポール・セローの短編集。各短編はロンドン、コルシカ島、アフリカ、パリ、プエルト・リコなど、いずれもアメリカ人の主人公たちにとっての"異国"を舞台としている。"異国"のルールを理解/把握することのできない彼らは、漠然とした不安や寄る辺のな…

『1Q84 BOOK1・BOOK2』/村上春樹

読み終わってからもうほとんどひと月が経つのだけど、どうにもうまく感想がまとまらなくて、日記に書くことができないでいた。でもそろそろ何か書き残しておかないと忘れてしまうかもなので、とにかくがんばって何かしら書いてみることにする。あるいはこの…

『ファミリー・アフェア』/村上春樹

80年代の短編集、『パン屋再襲撃』に収録されている作品。台詞はいちいち気のきいた感じだし、展開もまあ予想から外れることのない、わりとリラックスした雰囲気の短編だ。主人公の「僕」は27歳。何年ものあいだ妹と2人暮らしをしていたのだけど、妹は…

『1973年のピンボール』/村上春樹

何年ぶりかに読み返したけど、うーん、やっぱりこれもいい小説!俺は村上春樹は初期の作品がすきだなー。いろんな意味でイタい感じも含めて。『風の歌を聴け』に続く、「僕」と「鼠」の物語なんだけど、前作と比べるとずいぶん感傷的だし、乾いた感じよりは…

『風の歌を聴け』/村上春樹

高校生のころの俺のバイブルだったこの小説を久々に読み返していたんだけど、自分がこの作品からどれだけあからさまに影響を受け、方向づけられてきていたか、ってことにいまさら気がついて本当にびっくりした。いままで自分の頭でかんがえたことなんて何ひ…

『走ることについて語るときに僕の語ること』/村上春樹

最近あたらしく出た、村上春樹がマラソンについて書いたエッセイにこんな文章があった。サロマ湖100キロウルトラマラソンで村上が走っていたときの話。しかし100キロってすごいね! こうして我慢に我慢を重ねてなんとか走り続けているうちに、75キロのあた…