Show Your Hand!!

本、映画、音楽の感想/レビューなど。

映画

『キッズ・オールライト』

キッズ・オールライト (字幕版)発売日: 2013/11/26メディア: Prime Videoこの商品を含むブログを見る池袋シネ・リーブルにて。これはいい映画!ジュリアン・ムーアが出ているのでチェックしようとおもったのだけど(彼女の出演作の選び方っておもしろい)、…

『あの夏の子供たち』

独立系映画会社のプロデューサーをしていた父親が、ある日突然自殺してしまう。父親を失った家族は、突然の出来事に深く傷つきながらも、やがて前を向いて少しずつ歩き続けていくのだった…!というプロット自体はまあかなりありがちなものなので、物語を印象…

『パリ20区、僕たちのクラス』

パリ20区、僕たちのクラス (字幕版)発売日: 2013/11/26メディア: Prime Videoこの商品を含むブログを見る早稲田松竹にて。パリの移民地区にある学校を舞台に、ある国語教師と24人の生徒との1年間を描いた作品。さまざまな人種の生徒が入り交じった学校の日…

『SOMEWHERE』

吉祥寺バウスシアターにて。これはよかった!展開らしい展開がほとんどない映画なのだけど、ある美意識がたしかに全編を貫いている感じが、この作品を挑戦的で素晴らしいものにしている。ハリウッド俳優のジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)とその娘…

『キック・アス』

キック・アス (字幕版)発売日: 2013/12/10メディア: Prime Videoこの商品を含むブログ (5件) を見る横浜ブルク13にて。最近流行りの"ヒーローとはいったい何か?"という疑問に正面からぶつかっていくアメコミヒーロー映画。さすがあちこちで高評判なだけのこ…

『近松物語』

早稲田松竹にて。これはもう、文句なく素晴らしい映画!こんなに美しいモノクロの映像は初めて見たかも!とおもったくらいだった。主人公は、商家の奥方、おさんと奉公人の茂兵衛。このふたりが、ふとしたきっかけで不義密通の疑いをかけられてしまう。この…

『残菊物語』

早稲田松竹にて。溝口健二の超傑作として名高い本作だけど、うーん、俺にはまったく響いてこない作品だったな…。溝口映画の特徴と言われる長回しや、遠くから主人公たちをそっと見守るようなカメラ、モノクロながらも美しい画面など、たしかに見どころはたく…

『マン・オン・ザ・ムーン』

DVDで。米コメディアン、アンディ・カウフマンの生涯を取り扱った映画。ふしぎな印象のタイトルは、やはりアンディ・カウフマンをモチーフとしたR.E.M.の曲(超名曲!)から取られている。いわゆる伝記映画、と言っていいとおもうのだけれど、多くの謎に包ま…

『いつか眠りにつく前に』

DVDで。重い病でベッドに寝たきりになったアンを見守る2人の娘たちは、彼女が「ハリス」という男の名前をうわごとのように繰り返すのをふしぎにおもっていた。ハリスって、いったい誰なの??気になるけれど、意識も朦朧としている母にはなかなか聞きづらい…

『ペルシャ猫を誰も知らない』

吉祥寺バウスシアターにて。西洋文化が厳しく規制されるイランで、当局の目を逃れつつ、バンド活動に奮闘する青年たちを描いた作品。 音楽活動が制限されたイランの実情――バンドで演奏するだけで捕まってしまう!――は、彼らにとってたしかに息苦しく、生きづ…

『making of LOVE』

ポレポレ東中野にて。映画監督"ふるさわたけし"の撮る新作のメイキング、っていうフェイクドキュメンタリーな構成をとっているのだけど、物語の展開に応じてコメディ的な要素、オカルト、SF的な要素が自在に混じり合っていくのがたのしい作品だった。

『カティンの森』

早稲田松竹にて。とても静かな、でも薄皮一枚剥がしたその下には熱い情念がごうごうと蠢いているのが感じられる、超ヘビーな映画だった。1940年に起きた、カティンの森におけるポーランド人将校の大量虐殺に肉薄した作品。

『ピクシーズ/ラウド・クァイエット・ラウド』

吉祥寺バウスシアターにて。2004年、およそ10年ぶりになるpixies再結成の決定からツアーの模様までを追ったドキュメンタリー。解散後、各メンバーはどこでどんな風に過ごしてきたのか?いろいろあったはずのメンバー間の確執は解消されたのか?そもそもなぜ…

『キッズ・リターン』

早稲田松竹にて。北野武、オートバイ事故からの復帰第一作。シンプルというか、どちらかと言うと地味なくらいの脚本だけど、なんだかずっしりと心に残る映画だった。 扱われているのは、若いってことのほろ苦さや、ふいに訪れる挫折とそこからの再出発、みた…

『ソナチネ』

早稲田松竹にて。こういうのって、なんかあんまり好きなタイプじゃないんだよなーとおもいつつ見ていたのだけど、見終わってから何週間も経ったいまでも、スクリーンに映し出された海や土、火花や鮮血の美しさをくっきりとおもい出すことができるわけで、や…

『オーケストラ!』

渋谷ル・シネマにて。これは予想以上によかった!安定感のあるエンタテインメント、って感じで、音楽好きな人ならきっとたのしめるに違いない作品。見たのはもう先月のことになるのだけれど、ル・シネマはぎっしり満員だったなあとおもい出す。 舞台はロシア…

『第9地区』

新宿ピカデリーにて。こいつは最高だった!映画を見るまえに薄目でちらっとだけ読んでいたレビューや感想の印象では、もっとずっとB級っぽい、ギャグ寄りの作品なのかなーとおもっていたのだけど、その期待はちょっといい方向に裏切られた感じだった。とにか…

『息もできない』

渋谷シネマライズにて。評判通りの、ぐっとくる映画だった!物語としては、まあごくごくありきたりな、定型から外れることのほとんどない作品なのだけど、なんていうか、全体にしっかりと血が通っている、体温が感じられる。そんな風におもえるところがよか…

『渇き』

渇き(字幕版)メディア: Prime Videoこの商品を含むブログを見る新宿武蔵野館にて。期待していたパク・チャヌク監督の新作だけど、もうとにかく最高だった!このごった煮感、勢いあり過ぎる感、テンション高すぎる感は、ちょっと他では味わえないものだろう。…

『リミッツ・オブ・コントロール』

吉祥寺バウスシアターにて。1カ月くらい前にやっていた爆音上映で見た。ほとんど極限まで削ぎ落とされ、記号化されたストーリー、描写のなかで、ジャームッシュのスタイル、ポリシーみたいなものがしぶい輝きを見せる、そんな映画だとおもった。

『ファイト・クラブ』

DVDで。ひさびさに見たけれど、やっぱりとてもいい映画。ポップでサイケで、ちょっと実験的でもあるけれど、おもい切りのよさにはふしぎと元気づけられる。それに、以前に見たときよりも、物語がぐっと自分に近しいものとして感じられた。

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(その2)

いまでもときどき、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のことをかんがえている。かんがえるときには必ず、あるシーンの映像が浮かんでくる――列車の座席で、ダニエルが自分の子供として育てることになる赤ちゃんのH.W.を膝に抱いているところだ。ふとした瞬間…

『きみに読む物語』

早稲田松竹にて。これは正統派で甘あまなラブストーリーだなー、いまの自分にはちょっと味が濃すぎたかなー、なんて、見た直後にはおもっていたのだったけど、『私の中のあなた』の感想を書いているあいだにかんがえがちょっと変わった。これも、どうしても…

『私の中のあなた』

早稲田松竹にて。これは本当に素晴らしかった!正直、邦題は若干の安っぽさを感じさせないでもないし、あらすじを見てもお涙頂戴っぽい雰囲気が濃厚で、あまり期待できそうにない映画のようにおもっていたのだけど、じっさいのところ、ものすごくクオリティ…

『(500)日のサマー』

渋谷シネクイントにて。これはかなりよく練り込まれた映画。恋愛にまつわる幸福感とそれに比例するように大きくなっていく痛み、倦怠期のもやっと感などのエッセンスを適切に抽出し、ひとつの物語として結晶させることに成功している。最高と最悪、すべてが…

『ロスト・イン・ラ・マンチャ』

早稲田松竹にて。テリー・ギリアムが10年かけて構想を練り、50億円をかけたという超大作、『ドン・キホーテを殺した男』製作の失敗を描いたドキュメンタリー。内容もなかなかよかったのだけど、まずはとにかく、失敗でも何でも映画にして費用をちょっとでも…

『12モンキーズ』

早稲田松竹にて。これはクリス・マルケル『ラ・ジュテ』のストーリーから着想を得たテリー・ギリアムが上映時間を4倍に発展させた物語だと言ってしまっても構わないとおもう。正直言ってちょっと退屈だった。テリー・ギリアムらしいアシッド感、バッドトリッ…

『ラ・ジュテ』

早稲田松竹にて。大量のモノクロのスチール写真(この"スチール写真"、まずはムービー・カメラで動画を撮っておいて、それを編集の段階でストップモーションにした、ってものらしい。このひとひねりがアイデアとモチーフとを巧妙に紐づけていて、うまいなー、…

『かいじゅうたちのいるところ』

吉祥寺バウスシアターにて。昨年末からサントラが評判だったし、予告編の印象でも、ぜったい外さないだろこれ!っておもっていたくらいなのだけど、うーん、期待値の高さが災いしたのもあってか、俺にはいまひとつ響いてこない作品だった。たしかにかいじゅ…

『人のセックスを笑うな』

DVDで。山崎ナオコーラ原作の、ちょっとおしゃれな雰囲気の恋愛映画。この映画が狙っているのは、ふつうっぽい恋愛の話のなかでうまいことおしゃれ感を出すことであり、と同時に恋愛におけるある種のリアリティを表現することだろうとおもいつつ見ていたのだ…