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本、映画、音楽の感想/レビューなど。

映画

『クロニクル』

ひとことで言うなら、ティーンエイジャーの鬱屈した内面を「超能力」というツールを用いることによっておもいっきり肥大化させ、その痛みや閉塞した感覚を描き出した、という感じの作品だ。プロットに関してはおおよそ予想の範囲内だったけれど、物語のクラ…

『風立ちぬ』

風立ちぬ [DVD]出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社発売日: 2014/06/18メディア: DVDこの商品を含むブログ (122件) を見る 109シネマズ木場にて。宮崎駿のいままでの作風とはずいぶんと異なる作品だった。前評判は「大傑作!泣けちゃう…

『ラヴ・ストリームス』

ラヴ・ストリームス [DVD]出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン発売日: 2013/07/03メディア: DVDこの商品を含むブログ (4件) を見る 早稲田松竹にて。 結婚生活が破綻した後、破天荒な生活を送っていた弟(ジョン・カサ…

『こわれゆく女』

こわれゆく女 2014年HDリマスター版 [DVD]出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2018/08/08メディア: DVDこの商品を含むブログを見る 早稲田松竹にて。子供たちを実家に預け、ひさしぶりに夫婦ふたりで夜を過ごす予定だったニック(ピーター・フォーク)…

『英国王のスピーチ』

DVDで。ジョージ5世の息子、ヨーク公ことアルバート王子は吃音が原因の発音障害に苦しんでいた。何しろ王族の公務にスピーチは必須、スピーチの機会がある度に彼のコンプレックスは膨らんでいくばかりなのである。彼は、妻エリザベスの勧めに従って、言語障…

『パシフィック・リム』

109シネマズ木場にて。IMAX3Dの吹き替え版で見た。前評判の通り、怪獣と巨大ロボットが戦う映画。本当にそれだけで、余計な要素は一切なし。主人公たちの繰り広げる人間ドラマは基本的に大味というか、あってもなくてもどうでもいいような感じで、とにかく怪…

『ソウル・キッチン』

ハンブルクの街外れにあるソウル・キッチンは、ビールと温めた冷凍食品が主力のレストラン。オーナーのジノス(アダム・ボウスドウコス)にとって、自力で倉庫を改装して少しずつ作り上げてきたソウル・キッチンは自分の分身と言ってもいいようなもののはず…

『イノセント・ガーデン』

イノセント・ガーデン (字幕版)発売日: 2013/11/26メディア: Prime Videoこの商品を含むブログを見る 日比谷TOHOシネマズシャンテにて。パク・チャヌク監督+ミア・ワシコウスカ+ニコール・キッドマン、って前情報以外は何も知らない状態で見に行ったのだけ…

『静かなる一頁』

早稲田松竹にて。『日陽はしづかに発酵し…』と同様、アレクサンドル・ソクーロフ監督の作品だ。ドストエフスキー『罪と罰』を下敷きにした作品、と聞いたことがあったけれど、下敷きと言うよりは、インスピレーションの源とした、くらいの言いかたの方がしっ…

『日陽はしづかに発酵し…』

日陽はしづかに発酵し・・・ [DVD]出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2010/09/25メディア: DVD クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 早稲田松竹にて。いやー、むちゃくちゃかっこいいタイトルだけれど、これは辛かった。とにかく眠い。明確…

『シェルブールの雨傘』

水色、黄色、ピンク、オレンジなどなど、パステルカラーが散りばめられた画面は見ているだけでわくわくするようなたのしさがあるし、登場人物たち(というか、カトリーヌ・ドヌーヴ)の60年代な感じのファッションもいちいちかわいい。そして、よくよく見て…

『サイコ』

おもしろいと感じたのは、「サイコ」とぜんぜん無関係なプロットが進行していく序盤の感じ、人物の顔を長時間アップにし続けることでじりじりとした緊張感を高めていく手法、アンソニー・パーキンスがニカっとスマイルするタイミングの気持ち悪さ(ふつうは…

『ザ・フューチャー』

渋谷アップリンクにて。小さなアパートに暮らすソフィー(ミランダ・ジュライ)とジェイソン(ハミッシュ・リンクレイター)は35歳同士、同棲して4年のカップルである。ある日、ふたりは怪我を負った野良猫を見つけ、動物シェルターに運び込む。怪我が治った…

『愛と宿命の泉 Part Ⅱ 泉のマノン』

DVDで。パート2で描かれるのは、前編から10年後の物語である。泉を手に入れ、ついに「カーネーション王」となったウゴランは、ある日、泉で水浴びをする羊飼いの娘の姿を覗き見る。娘はジャンの娘、マノンだった。その美しさにひと目で恋の虜になってしまっ…

『愛と宿命の泉 Part I フロレット家のジャン』

DVDで。おもしろかった!パート2の『泉のマノン』と合わせてひとつの物語として完結する形になっている作品の第一部。愛と宿命によって複雑に絡まりあった人物たちが織りなす神話的で悲劇的なプロットがあり、豪華俳優陣の名演があり、そのバックには印象派…

『ザ・マスター』

本作の見所はやはりこのふたりの濃厚すぎる演技ということになるだろう。彼らふたりが揃っているシーンはいずれも画面に異様な強度が宿っており、"何か決定的なことがここで起こっている"という、目が離せなくなるような気分にさせられるのだ(とはいえ、"本…

『花様年華』

いわゆるラブストーリーのプロットを持つ本作だけれど、彼らの出会いや、恋に落ちて別れるまでのプロセスといったものが具体的に描かれているというわけではない。この映画で扱われているのは物語というより、禁じられた恋の情緒、詩情とでもいうべきものな…

『ビフォア・ザ・レイン』

DVDで。救いや希望はまるでなく、陰鬱なムードが全体を覆っているものの、美しい映像や凝った構成からは非常な繊細さが感じられる、そんな映画だった。テーマとして扱われているのは、旧ユーゴ紛争の一環で独立したマケドニアの国内における、マケドニア人と…

『デッド・カーム 戦慄の航海』

低予算のジャンル映画だが、限定された設定のなかでプロットがきちんと機能している。いま見ると豪華なキャストで、若かりしニコール・キッドマンは可愛らしく、に頭のネジの外れたサイコ野郎を演じるビリー・ゼインの気持ちわるさも最高

『ルビー・スパークス』

渋谷シネクイントにて。これはなかなかおもしろかった!長年のスランプから抜け出せないでいる小説家のカルヴィン(ポール・ダノ)は、ある日、夢に出てきた女の子を主人公に物語を書き始める。とってもキュートな彼女の名前は、ルビー・スパークス。作品を…

『シングルマン』

DVDで。ファッションデザイナーであるトム・フォードの初監督作品。ゲイの大学教授(コリン・ファース)を主人公に、パートナーを失うという体験の苦しみと、そこからのゆるやかな再生の可能性を描く。画面に映し出される構図や色調、ディテールはかなり凝っ…

『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』

ウォリスとエドワード ?英国王冠をかけた恋? (字幕版)発売日: 2013/11/26メディア: Prime Videoこの商品を含むブログを見る 新宿バルト9にて。マドンナの新作。1930年台と90年台とを行ったり来たりしながら、「世紀の恋」と呼ばれた、英王エドワード8世と恋…

『エリス・レジーナ ブラジル史上最高の歌手』

1973年撮影のスタジオライブ映像。映像的な派手さはないが、グルーヴィな演奏と好き勝手なおしゃべりで、28歳全盛期のエリスと豪華バンドメンバーの魅力をたっぷりと味わえる

『セブン・デイズ・イン・ハバナ』

セブン・デイズ・イン・ハバナメディア: Prime Videoこの商品を含むブログを見る 渋谷ヒューマントラストシネマにて。キューバを舞台に、7人の監督が7つのエピソードを描いた短篇集映画。どのエピソードにもわりとくっきりとしたストーリーがあるところ、キ…

『おおかみこどもの雨と雪』

母親視点で描かれる子育て奮闘記であり、「おおかみこども」というより、「お母さん」の物語。正直、ファンタジー的な設定は生かしきれていない印象があるが、画面の色調や音楽の素晴らしさは間違いなく楽しめる一作

『ダークナイト・ライジング』

福山CINEFUKUミラノ座にて。観客は自分を含めて4人だけっていう、がらがらの映画館で見た。本作は、クリストファー・ノーラン監督のバットマンシリーズ3作目にして完結編。前作『ダークナイト』は、そのちょっぴりインテリ風な佇まいが人気の作品だったけれ…

『私が、生きる肌』

早稲田松竹にて。人工皮膚開発の権威である形成外科医のロベルは、己の持てる技術のすべてを注ぎ込み、亡くなった妻に瓜二つの美女を作り上げた。ベラと名づけられた彼女は、奇妙な肌色の全身タイツを身につけた状態でロベルの自宅の一室に軟禁されており、…

『シェイム』

「語らないままでおく」ということこそが、本作を"スタイリッシュ"でありつつも、深みを持った作品たらしめているポイントだと言えるだろう。物語のまさに核心の部分を空白のままにしておくことで、主人公たちの抱える問題――それは、"Shame"という題名の通り…

『モンスター上司』

各シーンに笑える仕掛けがいくつも用意されていて、全体的によくまとまった作品になっているのだけど、とにかく主人公たち3人の会話のおもしろさが印象的だった。ニックが話を始めると、必ずカートが横からくだらない口出しをして論点がずれ、デイルがそれを…

『ドラゴン・タトゥーの女』

DVDで。原作はミステリ小説だけど、映画版においてはミステリ的な要素はぐっと薄められている。推理パートの進行スピードがやたらと早いので、観客の側でいろいろ推理したりかんがえたりするような余裕がほとんど与えられないのだ。結果として本作は、150分…