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本、映画、音楽の感想など。

批評・評論

『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』/立花隆

立花隆が週刊文春に連載していた「私の読書日記」(1995年〜2001年分)をまとめた一冊。序章で読書術&速読術について軽く言及されたあとは、ひたすら300冊あまりの「面白い本・ダメな本」の紹介が書かれていく、という構成になっている。 特徴的なのは、こ…

『快楽としての読書 海外篇』/丸谷才一

丸谷才一による海外文学の書評集。書評というと基本的には新刊が対象になるものだけれど、そこは大ベテランの丸谷才一、1960年代から2001年までという長いスパンのあいだに書かれた書評600編ほどのなかから116編が選ばれ、収められている。結果として本書は…

『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』/戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎(その2)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1991/08/01メディア: 文庫購入: 55人 クリック: 1,360回この商品を含むブログ (304件) を見る …前回のエン…

『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』/戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎(その1)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1991/08/01メディア: 文庫購入: 55人 クリック: 1,360回この商品を含むブログ (304件) を見る 大東亜戦争…

『『嵐が丘』を読む ポストコロニアル批評から「鬼丸物語」まで』/川口喬一

『嵐が丘』を読む作者: 川口喬一出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2007/05/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 『嵐が丘』に関するさまざまな文学批評、読みの方法が取り上げられた一冊。さすが古典と言うべきか、ロマン主義の表現主義…

『教養のためのブックガイド』/小林康夫、山本泰編

ときおり、「読みたい本リスト」というやつを更新したくなる。リストにはとにかく本の名前が大量に並んでいるので、すぐに自分でも内容が把握できなくなる(だから、じっさいのところ、いまいちうまく機能していない…)のだけれど、本読みのモチベーションを…

『「星の王子さま」物語』/稲垣直樹

「星の王子さま」物語 (平凡社新書)作者: 稲垣直樹出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2011/05/14メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見る 前回と前々回のエントリで取り上げた『星の王子さま』解説本はどちらも物足りなかったので、図書館からさらに5…

『星の王子さまとサン=テグジュペリ 空と人を愛した作家のすべて』

星の王子さまとサン=テグジュペリ ---空と人を愛した作家のすべて作者: 河出書房新社編集部出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/04/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る ムックというか、編集本というか、まあそういった感…

『星の王子さまの世界 読み方くらべへの招待』/塚崎幹夫

なにしろ、『星の王子さま』という作品が感動的なのは、「王子さま」の最後の決断が、まさにこれしかない、と感じさせるような決断であるからなのだ。塚崎の意見からすれば、『星の王子さま』に書かれているのは、逃避や免罪符やノスタルジアの生暖かい感覚…

『ラテンアメリカ十大小説』/木村榮一

スペイン語圏文学の翻訳と言えばまずこの人の名前がおもい浮かぶ、木村榮一によるラテンアメリカ文学の入門書。いわゆる「ラテンアメリカ文学ブーム」前後の作家たち10人とその代表作とを取り上げながら、各作品の内容からラテンアメリカ文学全体の傾向/特徴…

『新書で入門 ジャズの歴史』/相倉久人

新書で入門 ジャズの歴史 (新潮新書)作者: 相倉久人出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/02/16メディア: 新書購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (39件) を見る ジャズの歴史について、その誕生からモダン・ジャズ神話の崩壊までが、スマートにま…

『文章の品格』/林望

・品格のある、まともな文章を書くためには、まずは日常の話し言葉をまともなものにしていかなくてはならない。ふだんから、下品な言葉を使わないよう心がけること。 ・感情語(うれしい、かなしいなど)の利用はできるだけ避けること。その代わりに、具体的…

『文章術の千本ノック どうすれば品格ある日本語が書けるか』/林望

本書の前半では、上手なエッセイの書き方のアドバイスがまとめられている。林は、エッセイを書く際には、敬体(です・ます調)の文章は素人にはあまりおすすめしない(常体と比べて、無駄が多く、文章にスピード感がなくなる)、体言止めや、中止法(「~して…

『<不良>のための文章術 書いてお金を稼ぐには』/永江朗

本書の売りは、永江自身の文章作成プロセスを例に、「お金を稼げる」文章を書くためのテクニックが細かく解説されているところだろう。書評、お散歩ガイド、グルメガイド、エッセイなどの分野で、掲載誌によって文体や固有名詞を使い分けるようす、いかにも…

『多読術』/松岡正剛

会社に入ってからというもの、なかなか本が読めなくていらいらしていた。忙しくて時間がぜんぜんない、っていうわけじゃないのだけど(時間はつくればいい)、気持ちがどうにも読書のほうに向いていかないような感じで。でもやっぱり、長いあいだちゃんと本…

『マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン Loveless』/マイク・マクゴニガル

いわゆるシューゲイザーの名盤として有名な(そして文句なしに最高な!)、my bloody valentineの『Loveless』についての一冊。会社の同期で、マイブラに心酔している友人から貸してもらったんだけど、なかなかおもしろく読めた。 なにしろあのマイブラなの…

『母は娘の人生を支配する――なぜ「母殺し」は難しいのか』/斎藤環

なかなか強烈なタイトルの本だけど、興味深く読めた。母‐娘という関係性のなかで生じる支配‐被支配の問題、女性独特の身体感覚や母性といった要素を中心に、「母殺しの不可能性」がどうように成立しているのか、を解き明かしていこうとする母娘論。論の展開…

『羽生 「最善手」を見つけ出す思考法』/保坂和志

9月に旅行していたときだったかな、ネカフェのテレビで、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』が棋士の羽生善治と森内俊之の名人戦を特集していたのを見たのだった(たぶん再放送のやつ)。番組のなかで、羽生は、「一生かかって自分の将棋をつくってい…

『ペット・サウンズ』/ジム・フジーリ

ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』について、とにかく愛情たっぷりに語っている一冊。エッセイと評論の中間をいくような作風で、アルバムの魅力を、というか、アルバムに対する著者のおもい入れを存分に描き出している。俺も『ペット・サウンズ』のCD…

『『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する』/亀山郁夫

学長選挙には当選、『カラマーゾフの兄弟』の新訳はバカ売れと、昨年はノリにノっていた(とおもう)、われらが亀山ガクチョーの新書。タイトルがいいね。「研究」とかじゃなく、「続編を空想する」って、カラマーゾフを読んだ人ならきっと誰もがしてきたで…