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本、映画、音楽の感想など。

保坂和志

『考える練習』/保坂和志

保坂和志のインタビュー集。編集者との対談形式になってはいるものの、ほとんど保坂がひとりでしゃべり続けているので、まあインタビュー集という言い方で間違いはないんじゃないかとおもう。保坂の近頃の小説以外の作品はだいたいどれも同じような内容なの…

『猫の散歩道』/保坂和志

ここ数日は、まさに初秋って感じの、暑くもなく寒くもなく、空気は澄んでいて風はゆるやかで太陽の光は穏やかで…っていうような最高の天気が続いている。こんなにいい天気だと、なんていうかその天気のよさを感じているだけで、ちょっと幸せな気分、満ち足り…

間違った時代に生まれても

保坂和志は『途方に暮れて、人生論』のなかで、こんなことを書いている。 人生とは本質において、誰にとっても、「遅く生まれすぎた」か「早く生まれすぎた」かのどちらかを感じるようにできているものなのではないか。つまり、個人が人生において直接経験す…

『羽生 「最善手」を見つけ出す思考法』/保坂和志

9月に旅行していたときだったかな、ネカフェのテレビで、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』が棋士の羽生善治と森内俊之の名人戦を特集していたのを見たのだった(たぶん再放送のやつ)。番組のなかで、羽生は、「一生かかって自分の将棋をつくってい…

『明け方の猫』/保坂和志

夢のなかで猫になった人間を、その夢の内側から描いた小説。主人公は猫の身体に人間の思考を持っている、って設定だから、猫を描写した小説というわけじゃなくて、記述の仕方が猫的な小説、とか言った方がたぶん近い感じ。人間の感覚・論理と猫の感覚・論理…

『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』/保坂和志

この本のなかに、 死者を丁寧に葬り、きちんと喪に服すというのは、人間が人間として存在するための条件なのだ。人間はただ生きているだけではなくて、死んだ後も含めた漠然とした広がりを含めて人間という存在になっている。だから、死にまつわる行事をない…