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本、映画、音楽の感想など。

エンタテインメント

『天使の囀り』/貴志祐介

Kindleにて。手堅いサスペンス・ホラーものを得意とするエンタメ作家、貴志祐介だけれど、今作は怖いというよりも気持ち悪い、それも超絶気持ち悪い一作だと言っていいだろう。何が気持ち悪いのか、ってところは本作のサスペンス要素に大きく絡んでくるので…

『丕緒の鳥 十二国記』/小野不由美

なんと12年ぶりのシリーズ新刊。 本作は短編集で、「丕緒の鳥」,「落照の獄」,「青条の蘭」,「風信」の4編が収められている。各編に共通しているのは、荒廃した国における民の生活や小役人の苦悩みたいなものを切り取ったスケッチ的な内容で、王や麒麟など、…

『空飛ぶ馬』/北村薫

物語の語り手は、女子大生の「わたし」で、探偵役は噺家の春桜亭円紫師匠。物語は、「わたし」の日常生活のなかで起こったちょっとした事件を円紫師匠が解き明かしていく、って形式だ。事件といっても、基調にあるのはあくまでもふつうな19歳の「わたし」の…

『甲賀忍法帖』/山田風太郎

甲賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)作者: 山田風太郎出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/07/24メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (15件) を見る山田風太郎ってはじめて読んだのだけど、こ…

『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』/杉作J太郎

坪内祐三の推薦文が書かれた帯(↑)が衝撃的な本作だけど、これはなんていうかもう、ほんとにかなりしょうもない小説!なにしろ、J太郎氏本人がモデルとおぼしき40がらみのおっさん(元・プロレス実況解説者)が、宇宙人の侵略から地球を守るための地下組織…

『ハローサマー、グッドバイ』/マイクル・コーニイ

こういうタイトルの作品は、いまの季節にこそ読まなくっちゃね!とおもって買ってきた。少年と少女のさわやかな恋愛の模様を描きつつも、周りの世界――太陽の光を受けてきらきらと輝く、海辺の町――があれよあれよという間に姿を変え、最終局面を迎えていって…

『空飛ぶ馬』/北村薫

北村薫のデビュー作。たしか高校生の頃に一度手にとったことがあって、そのときはこの女子大生の一人称文体が"作り過ぎ、狙い過ぎ"なようにおもえてしまった――こんな"文学少女"然とした子、どこにいるんだよ!?って――のだけれど、今回はわりと素直な気持ち…

『隣の家の少女』/ジャック・ケッチャム

最近映画化されたこともあって、何かと話題の『隣の家の少女』。まあ正直言って、おもしろい小説、たのしい読書というわけにはいかなかったけれど、一息で読ませてしまうような牽引力を持った作品だった。

『クリスマス・テロル invisible×inventor』/佐藤友哉

昨年はじめて『フリッカー式』を読んで、そこから順番に鏡家サーガを読み進めていったのだけど、4作目のこれがいままでのなかでいちばん好きだな、とおもった。短いながらも登場人物たちの壊れっぷり、やけっぱちな感情の暴走っぷりは迫るものがあるし、小…

『紫色のクオリア』/うえお久光

ラノベ好きな友人がこれおもしろいよー、って言って貸してくれた一冊。渡された本の表紙を見て、まじかー、ちょっときついかな…とおもい、タイトルからはもじゃもじゃ頭の脳科学者の顔がおもい浮かんで、俺、きっとこの本と相性よくないよ…なんておもったの…

『バルタザールの遍歴』/佐藤亜紀

佐藤亜紀のデビュー作。ナチが台頭しつつある二大戦下のヨーロッパを舞台に、オーストリアの没落貴族にしてひとつの肉体を共有する双子、メルヒオールとバルタザールの物語が語られる。肉体はひとつでも、とにかく2人は双子であるので、たとえば二重人格と…

『水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪』/佐藤友哉

1、2作目の感じからすると(id:hayamonogurai:20080602)、ジャンクな断片をたくさん寄せ集めて無理やり形にしてしまうような強引さ、無秩序だけど勢いがあるみたいなところがこの作家の特徴かとおもっていたのだけど、今作で語られる3つの物語は、いまま…

『エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室』/佐藤友哉

(講談社文庫)" title="エナメルを塗った魂の比重 (講談社文庫)" class="asin"> これも前作(id:hayamonogurai:20080521)と似たような感じ。文章はもうとにかく、ひたすらに薄っぺらい(悪い、ということとは違う)。いじめだったり人食いだったりと、やたら…

『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』/佐藤友哉

(講談社文庫)" title="フリッカー式 (講談社文庫)" class="asin"> 佐藤友哉のデビュー作。俺はいわゆるメフィスト系の小説っていうのをちょっと苦手にしていて、でも、今より年をとったらさらに手に取りにくくなるに違いないとおもったので…、って、読み始め…

『精霊の守り人』/上橋菜穂子

やや和風な世界観のファンタジー。女用心棒のバルサはふとしたきっかけで、国の第二皇子、チャグムを連れて逃亡の旅をする羽目になった。チャグムには精霊の卵が産みつけられていて、父王からの刺客や、卵を狙う別の精霊も彼らのことを追ってくる。果たして…

『青空チェリー』/豊島ミホ

この本の魅力は、どの作品の主人公も、自分の身近にいそうな、いまっぽいリアリティを持っている、ってことに尽きるようにおもう。それは、実際に小説で描かれているようなしゃべり方をするやつがいるとか、描かれているようなことをしちゃう子がいるとか、…

『夏への扉』/ロバート・A・ハインライン

ロバート・A・ハインライン『夏への扉』を読んだ。ひとことでいって、とても爽やかな小説。古きよきアメリカの進歩史観と超ポジティブなエナジーが全編を貫いており、ちょっと引いてしまいそうになるが、でもそこがこの小説のよさでもある。最近気がついたの…