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本、映画、音楽の感想など。

エッセイ・随筆

『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』/立花隆

立花隆が週刊文春に連載していた「私の読書日記」(1995年〜2001年分)をまとめた一冊。序章で読書術&速読術について軽く言及されたあとは、ひたすら300冊あまりの「面白い本・ダメな本」の紹介が書かれていく、という構成になっている。 特徴的なのは、こ…

『漱石全集を買った日 古書店主とお客さんによる古本入門』/山本善行、清水裕也

本屋でぱらぱらとページをめくっていると、以前のエントリでも書いた、小林康夫と大澤真幸による「全集を読め」という話が取り上げられているのが目に入って、おもわず買ってしまった一冊。古書店の店主である山本と、その常連客である清水との対談本だ。 社…

『本は10冊同時に読め!――本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 』/成毛眞

お金に支配され続ける「働きアリ」ではなく、自分の頭で考えて行動する「クリエイティブ・クラス」になれと説く、成毛眞の自己啓発/読書術系エッセイ。本を読まない人は人と同じことしかできず、真に成功することはできない、だとか、本を読まない者はサルで…

『わたしの外国語学習法』/ロンブ・カトー

5ヶ国語の同時通訳者、10ヶ国語の通訳者、16ヶ国語の翻訳者だったというハンガリー人の著者による、自伝的な外国語学習法エッセイ。これだけの外国語をほとんど自国内で学習したというのだから、さぞかし超人的な勉強法が展開されているのかとおもいきや、好…

『職業としての小説家』/村上春樹

村上春樹による自伝的な小説家論。どのようにして小説を書くに至ったか、個人的なシステムにしたがって毎日休まず書くこと、書き直すこと、走ること、観察すること、他人の意見について、文学賞について、海外での受容についてなど、過去にもあちこちで少し…

『ホームシック 生活(2~3人分)』/ECD、植本一子

レーベルとの契約打ち切り、アル中、閉鎖病棟入院、鬱、家は猫のマーキングで荒れ放題、ってまさしく無頼の日々を送っていた40代後半のECDが、24歳年下のカメラマン、植本一子と出会い、付き合うようになって、同棲、妊娠、結婚、出産といったイベントを迎え…

『番茶菓子』/幸田文

幸田文のエッセイ集。3,4ページの掌編が集められたもので、ちびちび読んでいくのがたのしい一冊だ。内容的には、日常雑記的なものや思い出語りが大半で、どれもごく淡々としているのだけれど、その淡々とした感じ、その時々の気分や想いというのをきちんと言…

『ソウル・マイニング 音楽的自伝』/ダニエル・ラノワ

カナダはケベック州出身のミュージシャン/プロデューサーである、ダニエル・ラノワの自伝。幼少期における音楽への目覚め、ショーバンドでのドサ回りの日々、兄のボブと設立した自前のレコーディングスタジオでエンジニアとしての素養を身につけるまで、など…

『潜水服は蝶の夢を見る』/ジャン=ドミニック・ボービー

閉じ込め症候群(Locked-in syndrome (LIS))となり、左目以外はまったく動かすことのできない状態になってしまった男による、「左目のまばたき」によって書かれたエッセイ集。 閉じ込め症候群というのは、脳底動脈閉塞によって脳幹の特定部分に障害が発生す…

『考える練習』/保坂和志

保坂和志のインタビュー集。編集者との対談形式になってはいるものの、ほとんど保坂がひとりでしゃべり続けているので、まあインタビュー集という言い方で間違いはないんじゃないかとおもう。保坂の近頃の小説以外の作品はだいたいどれも同じような内容なの…

『孤独な散歩者の夢想』/ジャン=ジャック・ルソー

あなたがいまひどく落ち込んだ気分、みじめでひとりぼっちな気分、もうどうにでもなれ、ってやぶれかぶれな気分になっているのならば、『孤独な散歩者の夢想』を手にとってみるといいかもしれない。この本を書いたルソーというじいさん(64~66歳)は、きっ…

『回送電車』/堀江敏幸

回送電車作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2001/05メディア: 単行本 クリック: 17回この商品を含むブログ (32件) を見る 「書店では置き場のない中途半端な内容で、海外文学評論の棚にあるかと思えば紀行文の棚に投げ入れられていたり、…

『服は何故音楽を必要とするのか? 「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽たちについての考察』/菊地成孔

雑誌『ファッション・ニュース』に掲載された、「ファッション・ショーに召還された音楽」を「ウォーキング・ミュージック」と仮称し、各メゾンの服とショーの演出との関係を分析しつつ、なぜ服飾には音楽が必要とされるのか?を探るアルケオロジックな。そ…

『LIFE PACKING 未来を生きるためのモノと知恵』/高城剛

本書は、ぶっとんだライフスタイルでおなじみの高城剛が、海外をあちこち飛び回る放浪生活を営んでいく上で、これだけはどうしても外せない!と選びに選び抜いたグッズの、コメントつきカタログといった趣の一冊だ。高城の生き方は大抵の人にとってきわめて…

『わがタイプライターの物語』/ポール・オースター

オースターは、ごく若い頃に友人から安く手に入れたタイプライターをいまだに使い続けている。聞く限りでは、コンピュータというやつはどうも信用ならないもののようだし(間違ったキーを押すと、原稿がいきなり消えてしまったりするっていうじゃないか!)…

『学び続ける力』/池上彰

池上の"ふつうさ"から感じられるのは、彼の凡庸さというより、むしろ、彼の非凡さだ。本書では、「XXの発言を聴いて、私は~と思いました」という形式の文章がずいぶん目につくのだけど、池上は、東工大の学生たちの反応、テレビ・ラジオのニュースやバラエ…

『とるにたらないものもの』/江國香織

江國香織のエッセイ集。タイトル通り、身のまわりの「とるにたらないものもの」――ふつうに存在しているもの、無駄なもの、べつに気にしなくても何の支障もないもの――に宿る詩情への偏愛が語られている。どれも2,3ページ程度の短い文章だけれど、彼女独特の視…

『国のない男』/カート・ヴォネガット

本作は、ヴォネガットの遺作となったエッセイ集。2005年、彼が82歳のときの作品だ。内容も文章も、いつものヴォネガット節――文明や環境破壊への批判、アメリカの現状への率直な怒り、皮肉っぽさと裏表にある愛情のこもったまなざし、決して下を向くことのな…

『それでも、読書をやめない理由』/デヴィッド・L・ユーリン

結局、こういう、人を駆り立てるものとか、人が何かを為そうとする理由とかって、その本人にしかよくわからないものなんだろうなー、という気はする。そしてそれはきっと、本人がわかっていれば、本人が確信することさえできれば、それでもう十分なものなん…

『猫の散歩道』/保坂和志

ここ数日は、まさに初秋って感じの、暑くもなく寒くもなく、空気は澄んでいて風はゆるやかで太陽の光は穏やかで…っていうような最高の天気が続いている。こんなにいい天気だと、なんていうかその天気のよさを感じているだけで、ちょっと幸せな気分、満ち足り…

『読書からはじまる』/長田弘

詩人、長田弘のエッセイ。“本”とは、“読書”とは、人間にとっていったいどんな存在であるのか、もう一度かんがえ直してみよう、という感じの一冊。いわゆるその辺の読書論みたいなのと少し違っているのは、本という文化についてちょっとひとこと言いたいのだ…

『ノア・ノア タヒチ紀行』/ポール・ゴーガン

ヨーロッパを逃れ、はるばるタヒチまでやってきては観光したり絵を描いたり、ぐでぐでしたりしているゴーギャンの自伝というか滞在記というか、メモ書きみたいな感じの一冊。ゴーギャンがタヒチで描いた絵の版画バージョンが収録されてもいる。まあ正直、読…

『白鍵と黒鍵の間に ―ピアニスト・エレジー銀座編―』/南博

ジャズピアニスト、南博のエッセイ。これはおもしろかったー!書かれているのは、主に80年代の彼の活動だ。音校時代にジャズと出会った南は、小岩のキャバレー、東京音大、新宿ピットイン、そして銀座のナイトクラブへと舞台を移しつつ、とにかくピアノを…

『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』/保坂和志

この本のなかに、 死者を丁寧に葬り、きちんと喪に服すというのは、人間が人間として存在するための条件なのだ。人間はただ生きているだけではなくて、死んだ後も含めた漠然とした広がりを含めて人間という存在になっている。だから、死にまつわる行事をない…

『走ることについて語るときに僕の語ること』/村上春樹

最近あたらしく出た、村上春樹がマラソンについて書いたエッセイにこんな文章があった。サロマ湖100キロウルトラマラソンで村上が走っていたときの話。しかし100キロってすごいね! こうして我慢に我慢を重ねてなんとか走り続けているうちに、75キロのあた…