Show Your Hand!!

本、映画、音楽の感想/レビューなど。

2010-01-01から1年間の記事一覧

2008年7月6日

バックアップ用のHDDを整理していると、2年前の日記が出てきた。たぶん、はてなに載せようとおもって書いていて、でもつまんねーしなーこんなの、とおもってやめてしまったものだとおもうのだけど、いま再び読んでみると、ひたすらゆるゆると過ごした大学の…

『ソナチネ』

早稲田松竹にて。こういうのって、なんかあんまり好きなタイプじゃないんだよなーとおもいつつ見ていたのだけど、見終わってから何週間も経ったいまでも、スクリーンに映し出された海や土、火花や鮮血の美しさをくっきりとおもい出すことができるわけで、や…

Hilary Hahn / Esa-Pekka Salonen: The Philharmonia Orchestra@東京芸術劇場

5月30日、池袋は東京芸術劇場にて、エサ=ペッカ・サロネン/フィルハーモニア管のコンサート。今度ウィーンフィルと来日することにもなっているサロネンは、最近かなり注目の指揮者だし、何より、俺にとっては高校生の頃からいちばん好きなバイオリニストで…

『オーケストラ!』

渋谷ル・シネマにて。これは予想以上によかった!安定感のあるエンタテインメント、って感じで、音楽好きな人ならきっとたのしめるに違いない作品。見たのはもう先月のことになるのだけれど、ル・シネマはぎっしり満員だったなあとおもい出す。 舞台はロシア…

『ビッチマグネット』/舞城王太郎

思うに、この世のある部分の人たちは、誰かの本当の気持ちをそのまま話されることに耐えられないのだ。自分たちの本当の気持ちも言葉にすることができないし、そうしようとも思わないものなのだ。 ひょっとしたらそういう人の一部が物語を創るんだろう。そう…

『第9地区』

新宿ピカデリーにて。こいつは最高だった!映画を見るまえに薄目でちらっとだけ読んでいたレビューや感想の印象では、もっとずっとB級っぽい、ギャグ寄りの作品なのかなーとおもっていたのだけど、その期待はちょっといい方向に裏切られた感じだった。とにか…

『息もできない』

渋谷シネマライズにて。評判通りの、ぐっとくる映画だった!物語としては、まあごくごくありきたりな、定型から外れることのほとんどない作品なのだけど、なんていうか、全体にしっかりと血が通っている、体温が感じられる。そんな風におもえるところがよか…

『隣の家の少女』/ジャック・ケッチャム

最近映画化されたこともあって、何かと話題の『隣の家の少女』。まあ正直言って、おもしろい小説、たのしい読書というわけにはいかなかったけれど、一息で読ませてしまうような牽引力を持った作品だった。

『渇き』

渇き(字幕版)メディア: Prime Videoこの商品を含むブログを見る新宿武蔵野館にて。期待していたパク・チャヌク監督の新作だけど、もうとにかく最高だった!このごった煮感、勢いあり過ぎる感、テンション高すぎる感は、ちょっと他では味わえないものだろう。…

『リミッツ・オブ・コントロール』

吉祥寺バウスシアターにて。1カ月くらい前にやっていた爆音上映で見た。ほとんど極限まで削ぎ落とされ、記号化されたストーリー、描写のなかで、ジャームッシュのスタイル、ポリシーみたいなものがしぶい輝きを見せる、そんな映画だとおもった。

『ファイト・クラブ』

DVDで。ひさびさに見たけれど、やっぱりとてもいい映画。ポップでサイケで、ちょっと実験的でもあるけれど、おもい切りのよさにはふしぎと元気づけられる。それに、以前に見たときよりも、物語がぐっと自分に近しいものとして感じられた。

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(その2)

いまでもときどき、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のことをかんがえている。かんがえるときには必ず、あるシーンの映像が浮かんでくる――列車の座席で、ダニエルが自分の子供として育てることになる赤ちゃんのH.W.を膝に抱いているところだ。ふとした瞬間…

俺はブライアン派

3/8 月曜日。夜、プロジェクトの飲み会。ひさびさに女の子が大勢いる飲み会だったけれど、俺はチームのおっさんたちと音楽の話ばかりしてしまっていた。まさか会社でAC/DCの話ができるなんておもってもいなかったものだから、ボン・スコットのボーカルもいい…

パラライシス

3/1 月曜日。昨日の夜、どういうわけかほとんど眠れなかったので、むちゃくちゃに眠い。なんとなくぼんやりした気分で一日過ごすも、もう3月だということをかんがえると少し怖くなる。だって時間の流れるのがあまりにも早過ぎる。同期の友達が、俺この頃鬱状…

『きみに読む物語』

早稲田松竹にて。これは正統派で甘あまなラブストーリーだなー、いまの自分にはちょっと味が濃すぎたかなー、なんて、見た直後にはおもっていたのだったけど、『私の中のあなた』の感想を書いているあいだにかんがえがちょっと変わった。これも、どうしても…

『私の中のあなた』

早稲田松竹にて。これは本当に素晴らしかった!正直、邦題は若干の安っぽさを感じさせないでもないし、あらすじを見てもお涙頂戴っぽい雰囲気が濃厚で、あまり期待できそうにない映画のようにおもっていたのだけど、じっさいのところ、ものすごくクオリティ…

豊田道倫 生誕40年&NEW ALBUM『バイブル』発売記念 大コンサート@O-nest

2月7日、渋谷にて。40周年&新作『バイブル』発売記念ってことで、またしても3部構成のライブ。18:30から22:30近くまでおよそ4時間の長丁場だったのだけど、その感想を一言で言うなら、最近のみーくんのライブはなんだか本当にやばいものを見てる感じがする…

Passion Pit@Duo Music Exchange

2月5日、渋谷にて。Passion Pitのエレクトロサウンドから俺がまずおもい浮かべるのは、真空の宇宙でひとり膝を抱えているような、なんとも弱々しいイメージ、もの寂しげな感覚だ。そして、それに付随するようにして、闇のなかで不意に小さな星がちらっと瞬い…

湯川潮音@九段会館

1月31日、九段会館にて。昨年末に出た『Sweet Children O'Mine』は、ガンズやらエアロスミスやらオアシスやら、ロックの超メジャーな曲たちを湯川潮音の澄んだ歌声でカバーしちゃいました、ってアルバムで、そのよく晴れた春の日に野原でハイキングしている…

なりたくはなかったオトナに近づいていっている

2/1 月曜日。前にも書いたような気がするけれど、俺の暮らしている5.9畳のこの部屋のエアコンはどうやら壊れていて、きょうなんてうんざりするほど寒いのにほとんど冷風しか出してこない。スイッチを入れたはじめの20秒くらいはふわりと温かい風を出してくれ…

『(500)日のサマー』

渋谷シネクイントにて。これはかなりよく練り込まれた映画。恋愛にまつわる幸福感とそれに比例するように大きくなっていく痛み、倦怠期のもやっと感などのエッセンスを適切に抽出し、ひとつの物語として結晶させることに成功している。最高と最悪、すべてが…

『ロスト・イン・ラ・マンチャ』

早稲田松竹にて。テリー・ギリアムが10年かけて構想を練り、50億円をかけたという超大作、『ドン・キホーテを殺した男』製作の失敗を描いたドキュメンタリー。内容もなかなかよかったのだけど、まずはとにかく、失敗でも何でも映画にして費用をちょっとでも…

『12モンキーズ』

早稲田松竹にて。これはクリス・マルケル『ラ・ジュテ』のストーリーから着想を得たテリー・ギリアムが上映時間を4倍に発展させた物語だと言ってしまっても構わないとおもう。正直言ってちょっと退屈だった。テリー・ギリアムらしいアシッド感、バッドトリッ…

『ラ・ジュテ』

早稲田松竹にて。大量のモノクロのスチール写真(この"スチール写真"、まずはムービー・カメラで動画を撮っておいて、それを編集の段階でストップモーションにした、ってものらしい。このひとひねりがアイデアとモチーフとを巧妙に紐づけていて、うまいなー、…

『かいじゅうたちのいるところ』

吉祥寺バウスシアターにて。昨年末からサントラが評判だったし、予告編の印象でも、ぜったい外さないだろこれ!っておもっていたくらいなのだけど、うーん、期待値の高さが災いしたのもあってか、俺にはいまひとつ響いてこない作品だった。たしかにかいじゅ…

『人のセックスを笑うな』

DVDで。山崎ナオコーラ原作の、ちょっとおしゃれな雰囲気の恋愛映画。この映画が狙っているのは、ふつうっぽい恋愛の話のなかでうまいことおしゃれ感を出すことであり、と同時に恋愛におけるある種のリアリティを表現することだろうとおもいつつ見ていたのだ…

『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』

DVDで。2015年、感染者がどういうわけか自殺してしまうという謎のウイルスが世界中に蔓延していた。"レミング病"と呼ばれるこの致死ウイルスの働きを抑制する方法はただひとつ、あるノイズミュージシャンの奏でる音楽を聴くことだけなのだという…!って、設…

1月14日

9時起床。5分でシャワーを浴びて歯を磨き、10分で支度をしてスーツを着て外に出た。とても寒い。バスと中央線と埼京線を乗り継いで板橋へ。いつものように客先のオフィス(つっても雑居ビルの一角のむちゃくちゃほこりっぽい部屋だ)に早足で向かう。途中の…

『カールじいさんの空飛ぶ家』

109シネマズMM横浜にて。とにかくていねいに作り込まれた感のある、いい映画だった。あんなのぜったい泣いちゃうよ!やばいよ!ってさんざん話題になっていた冒頭8分間のインパクトはたしかに凄くて、俺は泣きこそしなかったものの、そのクオリティの高さに…

元旦、実家にて

30日の夜から、実家に帰って来ている。ひさしぶりの横浜。ごみごみした横浜駅の雑踏も、みなとみらいの無機質なグレーも、自分の部屋から見える風景も、おもっていた以上に懐かしくて、やっぱりここがホームなんだな、なんて実感しながら年賀状を作ったり、…