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本、映画、音楽の感想/レビューなど。

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

早稲田松竹にて。小学生の夏の一日をあまずっぱく描いた映画。すきなタイプの作品だし、おもしろくないとか退屈だっていうわけではないのだけど、『スタンド・バイ・ミー』のすぐ後に見たせいか、映像も音楽も、どうにも説明過多、情緒過多であるようにおも…

『スタンド・バイ・ミー』

早稲田松竹にて。もうほんとよかった!ノスタルジアを刺激しまくる、シンプルかつ最高の作品だよなーと改めておもった。作品そのものが内包している感傷に加えて、小さいころからテレビの金曜ロードショー的なやつで何度も見ている場面の数々も記憶のあちこ…

『JUNO』

吉祥寺バウスシアターにて。うん、おもしろい!ほんと、評判通りの映画だったなー。16歳のジュノは、なんとなく気に入っていた男子とセックスして妊娠してしまう。一度は堕胎をおもい立つものの、やっぱり産んで養子に出すことにしようと決心する。ジュノは…

『百万円と苦虫女』

吉祥寺バウスシアターにて。シンプルだけど、雰囲気がしっかり作られたロードムービーで、よかったなー。短大を卒業したものの、就職浪人でフリーター生活を送る鈴子(蒼井優)は、他人と接するのがいまいち得意じゃなくて、いつもどこか居場所がなさそうな…

東京ザヴィヌルバッハ vs stim@渋谷o-nest

o-nestにて、TZBとstimのライブ!やー、これはたのしかったなー! ●stim ドラム、パーカス、ベース、キーボード、サックスの5人編成で、ジャズっていうか、もうちょっとジャムバンドっぽいサウンド。曲がとにかくかっこよくてキャッチーだし、来て欲しいとき…

『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』/カート・ヴォネガット・ジュニア

1960年代のアメリカ中西部。先祖からの莫大な遺産を相続した大富豪、エリオット・ローズウォーターが、ありとあらゆる貧しい人々に金をじゃんじゃん分け与えまくる物語。エリオットは博愛主義的な人物って言ったらいいのか、貧しい人たちに同情して、金銭的…

『バルタザールの遍歴』/佐藤亜紀

佐藤亜紀のデビュー作。ナチが台頭しつつある二大戦下のヨーロッパを舞台に、オーストリアの没落貴族にしてひとつの肉体を共有する双子、メルヒオールとバルタザールの物語が語られる。肉体はひとつでも、とにかく2人は双子であるので、たとえば二重人格とい…

『窓の灯』/青山七恵

青山七恵のデビュー作。大学を辞めたまりもは、よく通っていたスナック風喫茶店で住み込みバイトとして働きながら、退屈な日々を送っている。最近の日課は、向かいのアパートに越してきた男の部屋を観察、というか覗き見することなのだけど、特に大した理由…

『ウェイキング・ライフ』

DVDで。やー、これ、おもしろかったなー!2001年の作品だけど、実写の映像にデジタル・ペインティングを施したふしぎなアニメーション映像はとにかくかっこいいし、いま見てもじゅうぶん新鮮だった。主人公の青年は自分の部屋で何度も目を覚ますのだけれど、…

イット・マスト・ビー・サマー

家を出たのはもう正午を回ったくらいのことで、玄関の扉を開いた途端にむっとくる熱気と、アパートの3階に向けてじりっと照りつける日差しの感じに、うわ、夏来たなー、とおもった。湿気が多くて粘っこい空気は身体じゅうにからまりつくようで、アスファルト…

『水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪』/佐藤友哉

ジャンクな断片をたくさん寄せ集めて無理やり形にしてしまうような強引さ、無秩序だけど勢いがあるみたいなところがこの作家の特徴かとおもっていたのだけど、今作で語られる3つの物語は、いまままでよりずっとていねいに構築されている。そのために、前2作…